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私にとっての描く事

私にとって絵を描くとは
残響を放出することだと思う
というか そう感じる

心の中に日々散り積もっていく澱のような音
その音を蒸留するように形にして放出する

だから私の日々の絵を見て「画家になるのですか?」と
問う方に私は伝える「これは芸術では無いのです」と

芸術とそうでないものを
はっきりと線引きする必要は無い
と言えば無いのだけれど

内面に生まれた感覚を
外の世界に喜びとして
描くことを芸術だとすると

私の描いているものは
澱の排出になるのだろう

だからといって「分からなくてもいい」と
描いているわけでは無い

むしろ世界にこれを「排出させてくれ」と
願い描いている それは結構切なる願いで

ということは
その作業から自分のしている事を考えると

華美な表現になってしまうが
私はきっと
私の内面を無色透明の湖面にしたいのだろう

本能的に自分を理解するために

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