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私のスペイン900km巡礼記 in 2023春 #47 【45日目】マドリード一日観光、ソフィア王妃芸術センターでゲルニカ鑑賞〜街歩き&食巡り

こんにちは、ナガイです。今日はマドリードを一日観光、念願のピカソのゲルニカも見に行きます。
前回の記事はこちら。

天気予報(マドリード) 晴れ 最高気温20℃ 最低気温9℃

7時起床。あまりよく眠れなかった。ホテルだからといって必ずしもよく眠れる訳ではないようだ。昨日は終日バス移動だったため、一昨日までのように適度に体が疲れていなかったせいもあるだろう。

シャワーと洗濯を済ませる。巡礼中は常にバックパックからぶら下げていた貝を外す。マドリードの街中で付けているとなんとなくスリの標的になったりしそうだからだ。結局お守りは鶴岡八幡宮のものが一つ残ったが、これは他ならぬ自分のためのお守りだったのだろうと思う。お守りだけサコッシュに付け替える。日本に帰ったら鶴岡八幡宮へお礼参りに行こう。

8時半頃に出発。昨日ホテルのWi-Fiが繋がらなかったのでフロントで確認すると、専用のアカウントを発行してくれた。

外は街歩きに最高の陽気だ。この時間の人通りは昨日の人混みが嘘のように少なく、所々にゴミが散乱しているのも含めて早朝の渋谷のようだ。

街中で目を引く建物があると大抵は教会だ。巡礼の影響で以前より教会に興味を持つようになったのは間違いない。

今日はまずソフィア王妃芸術センターへピカソのゲルニカを見に行く。10時開館なので9時半前に近くのカフェに入る。人気店のようで店内は満席だったため少し待つ。ヨーグルト・グラノーラ・フルーツのボールとカフェコンレチェを注文。9.40ユーロ。やはりマドリードは地方と比べると価格設定は高めだが、驚くほど高いという訳でもない。

店を出ると時間は10時ピッタリだったので芸術センターへ向かう。入り口は表と裏の二つあり、ネットで裏の方が空いているという情報を見たのでそちらへ行ってみる。チケット売場には少し列が出来ていたが、昨日のバスの車内で事前にチケットをオンライン購入していたので素通りして入り口へ行くと並ぶことなく入場できた。チケット代は12ユーロ。館内を歩いている時に表の入り口の方を通ると確かに長い入場列が出来ていたので、特に開館直後は裏の入り口の方がスムーズに入れそうだ。

まずは2階にあるピカソのゲルニカの展示室へ向かう。展示室へ着くと、やはりゲルニカを見に来ている人が多い。白、黒、灰色のモノトーンで描かれた大きな絵だ。

死、暴力、混乱、怒り、絶望。ピカソがこの絵を描いた時の負の感情がひしひしと伝わってくる。その放つエネルギーは岡本太郎の絵と通ずるものを感じる。ゲルニカの写真撮影は禁止なので目に焼き付けるようにして見る。もう少し見ていたかったが、みるみるうちに人が増えてきたのと、写真を撮って職員に注意されている人も出始めたりして集中できなくなってきたので展示室を後にした。ゲルニカを鑑賞するのは開館後30分以内がベストだろう。ちなみに、ソフィア王妃芸術センターは月曜〜土曜の19時〜21時、日曜の12時半〜14時半、それといくつかの祝日には無料で開放される。この日は日曜だったので12時半〜14時半に訪問すれば無料で鑑賞できたが、特に週末の無料開放時間は混雑が見込まれるため、ゲルニカを落ち着いて鑑賞したい場合にはチケットを買って訪れるのが無難だろう。また、ソフィア王妃芸術センター、プラド美術館、ティッセン=ボルネミッサ美術館の3館共通チケット(執筆時点では32ユーロ)もあり、無料開放時間以外に3館を訪れる場合にはこちらを購入するとお得に巡ることができるようだ。

ソフィア王妃芸術センターでのお目当てはゲルニカだけだったので、あとは流し見るようにして回り、11時半前に外へ出る。

マドリードでしたかったことはサッカー観戦とゲルニカ鑑賞の二つがメインだったため、あとはあてもなく街を歩くことにする。まずは先ほど芸術センターの窓から見えて気になった大聖堂の方へ行ってみる。

今日は日曜ということもあってか、通りや公園では大規模なフリーマーケットが開かれており、多くの人で賑わっていた。なお、この時点でiPhoneの歩数計アプリを見ると1万歩以上歩いていたが、巡礼中は毎日7〜8kgの荷物を背負って毎日少なくとも2万歩、多い時は5万歩以上歩いていたので、軽い運動に感じられる。

サン・フランシスコ・エル・グランデという教会の横には小さいながら何種類ものバラが咲き誇るきれいな庭園があった。

サン・フランシスコ・エル・グランデの教会は内部が撮影禁止だったので写真を載せられないのが残念だが、今まで見てきた中でも有数の壮麗さだった。

少しお腹が空いてきたのでランチを食べることにする。事前にいくつかピックアップしておいた店の中から実際に外観を見て良さそうなレストランに入る。

トリュフとパルミジャーノのソースの自家製タリアテッレ(Homemade tagliatelle with truffle and “parmegiano” sauce)とパン、水を注文。アペタイザーとしてポテトとモッツァレラのコロッケが出てきたが、少しスパイシーなソースとの相性がよくとてもおいしかった。タリアテッレも決して地方のレストランでは出会えない代物だ。店員の女性の接客も素晴らしく、食後にはミニカクテルをサービスしてくれた。会計は20.70ユーロ。店を出る時に「チャオ!」と言うと「チャオ!アリガト」と返してくれて、何から何まで素晴らしいレストランだった。

店から少し歩くと、先ほど芸術センターから見えたアルムデナ大聖堂へ到着。聖堂というより城のようなどっしりとした構えの外観だ。

大聖堂の前には“HOMELESS JESUS”と題されたベンチに横たわるホームレスのキリストの銅像が置かれていた。かなり目を引くが、これはカナダの彫刻家による作品で、マタイによる福音書の一節を表現しているようだ。入り口の扉の彫刻も非常に精巧だ。

大聖堂の内部も一周して見て回る。大聖堂のすぐ横には人気の観光スポットである王宮があったが、そちらは外観だけ見て済ませた。

少し眠くなってきたので一旦ホテルへ戻ることにする。帰りがけにアイスを購入。Nocilla(スペインで親しまれているカカオスプレッドのブランド)とクッキー&クリームを注文。4.50ユーロ。

15時過ぎにホテルへ戻り、少し昼寝をしてから16時半頃に再び外へ出る。街は人で溢れている。巡礼路上の町や村は今くらいのシエスタの時間には静まり返っていたのが懐かしい。

これから向かうのはプラド美術館だ。先ほどのソフィア王妃芸術センターと同様に、プラド美術館は月曜〜土曜の18時〜20時、日曜及び祝日の17時〜19時は無料で開放されている。日曜の今日は17時から無料開放されるため16時50分頃に美術館へ着いたが、美術館の建物を這うように長蛇の列ができていた。軽く1000人は超えているだろうか。

17時を過ぎて列が動き出した頃には後ろにも終わりが見えないほどの長い列が出来ていた。ソフィアのように特段のお目当てがある訳ではなかったので、この行列に並んで入るのも一つのアクティビティのようで楽しい。

窓口で無料のチケットを受け取って入場できたのは17時20分頃。閉館10分前の18時50分には退場しなければいけないので、鑑賞時間は1時間半ほどだ。リュックをクロークに預け、日本語のマップを受け取って館内を回る。

プラド美術館は全館撮影禁止だったので写真はないが、肖像画や宗教画、風景画、静物画が多く、特にベラスケスのラス・メニーナスや、ゴヤの作品群の前には人だかりができていた。精密な西洋絵画はあまり好みではないのだが、ゴヤの画風は良い意味で漫画的であり、モチーフや構図も独自性があって見ていて面白い。アントニオ・ヒスベルトの『トリホスとその同志らの処刑』やゴヤの『1808年5月3日:マドリード市民の処刑』など、見ていて胸が苦しくなる作品もあった。駆け足だったが一時間余りで一通り見終えたので、18時半過ぎに美術館を出た。人はまずまず多いが、館内が広いこともあって程よく分散しており、思ったよりスムーズに回ることができた。夏のハイシーズンなどはまた状況が異なるかもしれないが、通常の時期であれば無料開放時間を狙って訪問するのはおすすめだ。

プラド美術館のすぐ近くにはサン・ヘロニモ・エル・レアル教会がある。ファサードが美しい教会だ。

19時頃になりお腹が空いてきたのでディナーを食べに行く。プラド美術館から10分ほど歩いた場所にあるタベルナ(日本語では食堂や居酒屋と訳されるカジュアルな雰囲気の店)に入る。人気店のようで、店内は常に満席状態で活気がある。

ビーフサーロインのタルタルソース・ポテト添え、サーモンのブロチェッタ(スペイン版の串揚げのようなもの)のエメンタールチーズがけ、水を注文。23.30ユーロ。ブロチェッタはそれなりだったが、ビーフサーロインがとてもおいしく、ランチに引き続き満足度の高いディナーだった。たまたま良い店に当たっているのか、この水準が当たり前なのか分からないが、マドリードのご飯は外れがない。

帰り道に巡礼中よくお世話になったスーパーがあったので水と、もちろんセルフサービスのオレンジジュースも購入。3.54ユーロ。

巡礼後だとマドリードの人混みにうんざりしてしまうかと思っていたが、むしろ楽しんでいる。なんだかんだで自分も都会育ちだからだろう。マドリードはさすが首都だけあって、ただ歩いているだけで何かしら面白いものに出会うことができ、あっという間に一日が過ぎてしまった。

ちなみに、マドリードはメトロやバスなどの交通網が整っているが、今日はそれらを一切使わずに距離にして約25km、歩数にして約32,000歩を歩いて観光した。さすがに程よく疲れたので21時前にホテルへ戻る。

ガブリエレから「元気かい?巡礼は終わった?」とメッセージが来ていたので、近況の報告と改めて巡礼で会えたことのお礼を返信する。22時に就寝。


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