コモンズとしての共有空間

少し日が空いてしまいましたが、今回は課題で扱っているコモンズという概念を整理していきたいと思います。コモンズ自体の話とどう分析していくかを考えられたらいいなと思っています。

今回は窓学アーカイブのvol3に掲載の「窓の視線学」という論考から考えを進めていきます。先生からもらった本なので、売ってるのかはよくわかりませんが機会があれば見ることをお勧めします。

コモンズとは

この論考の中ではコモンズやネイバーフッズの考え方が重要です。まずコモンズはお互いで管理、運営する集団の共通資産・資源と言われています。その資源は空間だったり、ものだったり、または自然を対象とすることもあります。この資源はネイバーフッズを支えるものになります。近代になって資本主義が世界中に広がるとネイバーフッズの関係は年からどんどん失われ、それに伴いコモンズが減少していきました。しかし最近は行き過ぎた資本主義に対して批評的に見ることが増え、コモンズもまた考えられるようになっていったのです。

コモンズを考えるとき、コモンズがその資源自体を指すか、それを管理する仕組みのことを言うかで捉え方が一元的には決まっているわけではないのかもしれないと私は思っています。個人的にはコモンズはものを媒介とする仕組みとして考えた方が良い気がしています。設計課題で扱った時の経験なのですが、空間を資源としてコモンズと捉えるとパブリックスペースと混同してしまいうまく人のアクティビティを想像することができなかったことがありました。このように誤解したまま進むとトップダウン的なコンセプトの押し付けになってしまう危険性が高まります。コモンズはパブリックスペースとは似て非なるものと言うことをちゃんと捉える必要があると私は最近反省しております(笑)

Space of Commoning(共有空間)分析の視点

論考ではコモンズの定義をした後に、実空間の調査のための見るべきところを定めています。

①リソースは何か

②空間をマネジメントするコミュニティは何か

③その背後にある文化、慣習、ルールはどのようなものか。

これを最初に見た時、なるほどなと思わされたのですが、コモンズの計画をしやすくするためにもう一つ加えてもいいと思うことがあります。それはそのコミュニティや資源に関わる人々の需要や欲求はどんなものが考えられるかと言う視点です。人々が集まってくるには何かしらの動機が必要です。その動機を仕組みに組み込まないとコモンズは発生していかないのではないでしょうか。この観点が加わると分析を元に設計をする際にプログラムを組みやすかったり、どんな空間が相応しいかよりイメージしやすくなると思うので今回の課題で実践していきたいです。

終わりに

学部の頃にコモンズはかなり話題になりましたが、大学院で違う考えに触れ、もう一回まとめ直すことができたので、コモンズの考え方がより深くなっていく気がしています。もっと勉強して感じ方が変わったらまたこの話題で記事書いてみようと思います。

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