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#28 ワークマンのビジネスモデル〜究極のコストカット法〜

原価率が高い企業はぼったくり


そんなことを言っている人は恐らく働いたことがないか、働く人やモノがタダで稼働していると考えている会計知識皆無の方です。かわいそうに。

1つの事実だけで物事を考えず、財務諸表を見て真のボッタクリかどうかを判断する。僕の記事を通してそんな人間になっていただければ幸いです。


現場の味方「ワークマン」

工事現場や建築現場など、屋外で作業をする職業の必需品はなんでしょう。


そうです。作業着です。

丈夫で動きやすい作業着ってどうせ高いんだろ?
なーんて思ってる現場人は恐らく一人もいません。だって彼らには最強の味方がいますから。

大学生になるまでタウンワークとの違いを知らなかった

ワークマンは、2022年3月末時点で、全国47都道府県に944店舗を展開する国内最大手の作業着販売店です。


圧倒的安価

ワークマンの最大の特徴は「安さ」。

作業用つなぎがこの値段で買えてしまう

写真を見てもわかる通り、作業用つなぎが¥2,000~¥5,000出せば大抵の物が買えます。
もちろん、他の高価な製品に比べると耐久面で劣る部分がありますが、汚れやすく、傷が付きやすい消耗品である作業着に対するコストが安く抑えられるのであれば、業者としても嬉しい限りですよね。



ワークマン流 コストカットの仕組み

さて、ワークマンが安いのはわかりました。しかし、普通の服ですら1500円で上下を揃えることはできません。一体どのようにして安価で利益を出すというのでしょうか?その仕組に迫ります。


製造委託時期を限定する

1つ目は、頃合いを見計らって製造委託をする、ということ。

例えば、制服などを主に製造している工場にワークマン商品の製造発注をするとします。日本の制服は、4月に新入生、新入社員が新たに着用するため、12月〜3月にかけて購入が多くなります。
その時期に販売するためには、8〜11月にかけて最も製造の注文が集中しますよね?

逆に言ってしまえば、一番購入されるような3月の時期に制服を製造していてはもう遅いので、その時期は工場としても閑散期に入ります。

そのため、ワークマンは製造工場が閑散期に入る時期に大量発注をかけることにより、依頼コストの単価を下げます

スーパーで箱買いしたりすると安いのと一緒


売れ残り在庫は廃棄しなくていい

作業着は、通常の衣服と違い、「流行」という概念を必要としません。そのため、機能性に優れて低価格であればなんでも良い。という点からも、デザインを刷新する必要はないのです。

つまり、機能性の優れた商品を一度開発して商品化すれば、新たな機能に生まれ変わるまで、その商品を売り続けることができます
皆さんも普段使いするようなボールペンに対して、書きやすいボールペンであればデザインなど関係なしに安ければなんでもいいですよね?それと一緒です。

ファストファッションにおいては、流行に乗った服を販売して、シーズンが終わる前にいかにして作った分を売り切るか。という点が重要視されますが、作業着においては需要の終わりが訪れるのは人間が現場作業をしなくなる日が来るときです。不良在庫になることは実質ありません


このような取り組みから商品寿命が長いことを活かして極限までムダを削ぐことであの販売価格を維持しているというわけですね。



フランチャイズ経営

ワークマンの全944店舗のうち、903店舗はフランチャイズ店舗です。
(2022年3月31日時点)

しかし、ワークマンのフランチャイズには他社と比べると少し特殊な加盟条件を設けています。

ワークマンのフランチャイズ加盟条件

比較的若い年齢制限と、夫婦で店舗経営を行うことが前提であり、出店地域に土地勘があること。

「60歳で定年退職したから田舎に引っ越してワークマンの店舗経営するかぁ〜」と突然にはできないのです。
なぜこのような制限を設けているのでしょうか?


年齢制限を設ける理由

大きな理由として、体力・健康面においてもフランチャイズオーナーの長期的な経営(ロイヤリティ収入の長期化)が担保されやすいことがあるでしょう。
「若いから経験が、、」といった意見もあるかもしれませんが、ワークマンの徹底したフランチャイズ経営指導の自信があるのでしょうね。

また、若くしてフランチャイズオーナーを選択することは人生の大きな選択をしたに違いありません。人生をかけて店舗経営をしていく。そんなオーナーをワークマンは求めているのではないでしょうか。


オーナーの出店地域を限定させる理由

条件にもあるように、オーナーの地縁のない地域に出店はできません。
こんちやまんは愛知県のとある地域に生まれてからずっと同じ場所で暮らしていますが、ある日突然群馬県に移住してお店をやろう!とはできないわけです(群馬にしたのはワークマン一号店が群馬県にあったからです笑)。

というのも、土地勘や地域文化の知識、季節の変わり目の感覚など、その地域に長く住んでいないとわからないような第六感のようなモノが必要だとワークマンは言っています。

職人のために必要な感覚が備わっている人こそワークマンの経営に必要な人物」と考えています。

このようなフランチャイズオーナーを選定することでフランチャイズ管理の合理化を図り、ムダな支援にならないようにしています。


まとめ

いかがでしたか?
排除できる部分はとことん排除して合理的・効率的にムダなく経営をする。そんなワークマンだからこそ、業績は毎年右肩上がりを重ねています。


皆さんも、効率的に仕事をする

「ワークマン(又はワークウーマン)」

になりましょう。


えー、最近まだまだ寒い日が続いていますので、皆さんしっかりと防寒対策、


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それでは、また。

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