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【#006 中編】職人への転職が天職に/職務はやる気スイッチ/やめない限り失敗なし

― プラスワン(株式会社日本オートプラザ) 鴨川マネージャー ―

今回はリペア業で20店舗展開されていますプラスワン(株式会社日本オートプラザ)の鴨川マネージャーにお話を伺っております。
3部作中の今回は中編。(前編はこちらから

〈ピックアップ音声インタビュー〉

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前編のつづき

(鴨川)当時私も若かったので、自分の方がよりかっこよくスマートにリペアできると思っていました。だから、今まで見てきたお直し屋の逆をやっていけば、絶対に勝てると思ったんです。同じことをやっても、また同じような店が出来るだけですので…。

(細川)そういうことですか!

(鴨川)「イケてないリペアから、イケてるリペア」を目指したんです。

(細川)そのやり方で、どんどん店舗も増えていってという感じですか。

(鴨川)一気にって言っても、もう本当やり方もわからないですし、出店のノウハウも、人に教えるノウハウも。元々ちょっと教えてもらって、雇われていた人間が、いきなり雇う側になるわけですよ!

(細川)なるほどですね。マネージャー職という、人に教えたり出店したりするようになったのはいつからですか?

(鴨川)入って、1年したくらいからですね。

(細川)へええええーーー。(汗)すごいですね!!!

(鴨川)もう店舗は複数ありましたので、もったいないと。私が入った店舗はポンと売上が上がったりしたので、こういう私のいる店のような店舗を量産していけば全店もっと潤うんじゃないの?と思ってました。

(細川)そのマネージャーが入られた店舗の売上がポンと上がった理由というのは何かあったのでしょうか?

(鴨川)それは、接客です。

(細川)接客ですか!?接客というと?

(鴨川)詳しい内容は企業秘密です!(笑)(笑)(笑)

(細川)ですよね!?(汗)リピーターさんが増えたということですか?

(鴨川)リピーターというか、もともと地域密着で、例えば尼崎なり明石なり姫路なり、モールに出店していますので、お客様は必ずいるんですよ。そのお客様がいる中で、来てくれるか、来てくれないかの違い、ですね。

(細川)お金をいただくお客様になるかどうかということですか。

(鴨川)ちゃんとお預かりしたモノを感謝をもってお戻しできているか、来ていただいたお客様に、この店舗ではお客様の困りごとにどんなサービスで応えることができるか、こんなこと出来ます、あんなこと出来ますとお伝えすることができるか、また来ていただけるようにしていくかで、客数が増えていきますので。それができていない店舗がすごく多いんです。

(鴨川)くつのかかと修理のお客様に、店番としてお直しするだけで、¥800頂いて終わるのか、そうでないかとの違いですね。

(細川)まだ見ぬ、そのお客様のニーズを引き出すということですね!へぇー。

(細川)マネージャーの企業秘密だとはおもいますが、これをしていけばお客様が付くという方程式がご自身の中で出来上がったということですか…。

(鴨川)そうですね。だから、他業種、ファミレスにしても、カフェにしても、物販にしても、そういう目線でお店を見てしまいますね。業界は違えど、やっていることは皆さん同じなので。

(細川)なるほど!!

(鴨川)お客様に次来ていただこうとしているスタッフのいるお店か、そうではなくて、ただただいるだけのスタッフなのかで来店数も売り上げも大分変わってくると思うんですよ。

(細川)そうですね!では、今はリペアの会社ですけど、この業界じゃなくても、マネージャーの理論というのは…。

(鴨川)通用すると思っています!

(細川)すごいですね!是非その理論を他店舗、他業種にも発展させて、成功してほしいですね!

(鴨川)元々職人で入って、普通だったら靴修理で独立してやる、っていうイメージで入られる方が多いと思うのですが、僕の場合は初めから勘違いだったので。その勘違いがどんどんと増幅して、元々あった独立心なんて一気に飛んで行ってしまいました。どれだけ、今のグループの中でお店を増やせるか、そこだけですね。

(細川)そうですか、もう、経営者目線ということですね!今いる人材や経営資源をどう活かすかを実際に動かされているので。

(鴨川)そういうと、かっこいいですが、僕からすると、自分もほぼ素人同然で、誰にも教えてもらうことなく、独立独歩でやってきたわけです。それを入ってきた若い子たち、年齢は若くなくてもいいのですが、僕ができたことだから、誰でも出来るんじゃないのって感覚で、スタッフを増やしていってはいます。今は増えすぎて大変なんですけどね!!(笑)

(細川)へぇ!!今、スタッフさんは何人くらいいらっしゃいますか?

(鴨川)30人くらいですね。20店舗で30人ですね。1店舗当たり1.5人で回しています。

(細川)ということは、近くの店舗で人員を回したりということですか。

(鴨川)そうですね。1店舗2人体制のところもあるのですが、それじゃぁ利益が出ないです。

(細川)なるほど。それも鴨川マネージャーの方程式の中のひとつなわけですね。

(鴨川)1店舗の収支というよりも、グループ店舗であるが故のスケールメリットもあります。これは、職人さんが独立して成功するやり方とはまた違う方法ですね。

(細川)チェーン店ならではのメリットが活かされていますね。

(鴨川)もし僕が独立していたら出来ないこともいっぱいありますので。株式会社なのである程度見込める部分もありますしね。

(細川)30人を束ねようとすると、大変じゃないですか?

(鴨川)そうなんですが…。元々束ねる気がないんです。僕はそんなタイプではありませんから。(笑)

(細川)いやいや、そんなことはないと思いますが。(汗)

(鴨川)努力はしますけどね。でも、初めから束ねる気は無いんです。それよりも、個々の従業員の「やる気」、個々の力をどうつけるか、どう使うかですね。

(細川)従業員さんの「やる気」というのは、出来ることが増えて、売上が上がることなんでしょうか?

(鴨川)それは、人それぞれなんですよ。お金で反応を示す人もいれば、従業員同士のコミュニケーションを楽しむ人もいますし、月1回のミーティングを楽しみにしている人もいます。もちろん靴が好きで来る人もいます。それをピンポイントでどう会話を重ねるかで、その人のモチベーションが変わってくるんです。

(細川)なるほど~~!

(鴨川)よく従業員にも言われるんですけど、モチベーションが下がって…って。でも、僕は基本的にモチベーションは自分で上げるものだと思っていますので、どこのポイントをついてやるかです。いわゆる「やる気スイッチ」ってやつですね。

(細川)はい、はい、はい。(同意)きっかけですよね。あるきっかけで急に変わった、とか聞きますものね!

(鴨川)それを見抜くのが難しかったり、そこの苦労はありますよね。

(細川)だいたいおいくつくらいの従業員さんたちなんですか?

(鴨川)下は20歳から、上は私の少し下、40代後半くらいですね。年齢の幅は広いです。

(鴨川)うちは実力さえあれば、年齢も性別も関係なく活躍できます。

(細川)女性従業員さんもいらっしゃるんですね。

(鴨川)男性よりも女性の方が収入が多かったりというのは、普通にあります。

(細川)すごくいい会社ですね。お店と人をすごく良く見ていらっしゃる。

(鴨川)見れているかどうかは、分かりませんけどね(笑)

(細川)マネージャーは人を使うだけではなくて、いわゆるネットやITを使って積極的に発信などされていると思います。ホームページはもちろん、ブログ、LINE公式アカウント、Instagramも。それらも全部独学で?

(鴨川)教えてくれる人が誰もいないんですよ!

(細川)(笑)(笑)(笑)

(鴨川)何せ、他のリペアがやっていないことを探していたら、どんどんどんどん勝手に勉強して、調べて、やっていかないと仕方のない状態に自分を追い込むんですよ。

(細川)なるほどですね(笑)

(鴨川)それが、自分の仕事だと思って。他のリペアショップがやらないことをやってるだけなんです。そこにも仕組みの原理があって、どこかの真似をするじゃないですか。だから、伸びないのかなぁと思ったりしています。あえて、そこを無視して独自のやり方で進めています。

(細川)それはすごく数字にも表れていると思います。

(鴨川)だから、リペア経験者の従業員の方がうちの会社で続かないことが多いんですよ。

(細川)はぁ~。

(鴨川)以前いたお店と比べたら、やっていることが全く違う。ギャップが大きいんだと思います。こんなことまでやるの?って思うかもしれませんね。でも、それを真剣にやるか、適当にやるか、やらないかでうちの会社の中でも大分と差が出てくるものです。

(細川)なるほどですね。マネージャーの右腕になるような次の世代の方は出てきていらっしゃいますか?

(鴨川)出てきてもらわないと困るんですけどね~(笑)(笑)

(細川)(笑)(笑)

(鴨川)なかなか難しいところなんですけどね。(笑)

(細川)人材の育成が本当に一番難しいですよね!?

(鴨川)そこも考えようで、難しいと思うか、簡単とは思ったことはないですけど、楽しめるかですよね!?

(細川)なるほどですね?将来が楽しみですよね?

(鴨川)仕事を楽しんでいる従業員のいる店というのは、どの業態でも売上は上がると思うんですよ。ただただ仕事を仕事としてやっているように見えるお店はなかなか売上にはつながっていかないと思いますね。

(細川)ひょっとすると、他の企業はどの業態でもですけど、直接本業につながらないことはやるな、みたいな風潮があるじゃないですか!?

(鴨川)その直接本業につながらない何か、まさにそれがキモなんですけどね!

(細川)私もそういうつもりで、本業とは全く関係のないこのインタビューをさせていただいているんですよ…。(笑)よく、何のためにインタビューしてるのって。でも直接関係がないところで、話を聞くことによって、お客様の気持ちがわかったり、ニーズが発見できたり、そういうことがありますね。インタビューしていても、よく言われます。自分の話で拾うところある??って。でも、ほとんどの方がビジネスライフに山あり谷あり。個人の考え方や、業界の知らない世界を教えていただいて。そこがこのインタビューの醍醐味なんですよ。

(鴨川)楽しめているんでしょうね!?そういう方たちって。

(細川)そうですね!皆さん一生懸命ですけどね。

(細川)今日もマネージャーからそういういきさつがあってというお話をお伺いしましたが、知らない事ばかりだったので、本当に勉強になります。

(鴨川)今も新しい従業員と話をするのですが、技術の話はほとんどしないんですよ。気持ちや気構え、そういったことばかりです。何せ、その人のやる気スイッチを探す、それが僕の仕事なんじゃないですかね。

(細川)なるほど。(感心)

(鴨川)僕がそうであったように、技術を教えなくても、お店にいたらやらざるを得ませんから。ただ、仕事に向き合う姿勢というのは、教えてもらわないとわからないことですから。特に若い子たちはね。

(細川)そうですよね。自分で発見できる人は少ないですよね。

(鴨川)そうですね。だから、そこでちゃんとしたメリットを与えるのが会社だと思っているんですよ。

(細川)なるほど。まさに、理想の上司です!!!

(鴨川)いえいえ。

(鴨川)ただ、この2年、そのエサがないんですよ!コロナでね。基本的にはやりたいことをやって、結果が出れば会社がお金を出してサポートする。その繰り返しでやってきていたんです。そうすることによって、売上もずっと右肩上がりで来ましたので。今は新たに出店をしても、お客様が足を運べない状況。その流れが今までとベクトルが逆に働いているんですよ。これをどう立て直していくか、それを今、楽しんでいる最中なんですけどね!

(細川)マネージャーは、基本、いつも楽しんでいらっしゃいますよね!!??

(鴨川)やる以上は楽しくやらないと続かないので。みんな諦めるのは、楽しくないからだと思います。

(細川)そうですね!本当にそう思います。

後編へつづく


株式会社日本オートプラザさんの展開するプラスワンは、靴・鞄・傘・ジュエリーの修理をはじめ、時計の電池交換、靴のクリーニング、合鍵の作成も手掛ける街の修理屋さん。
兵庫・大阪に9店舗、千葉7店舗、九州に4店舗と、グループで20店舗を手掛ける。
何か修理のお困りごとがあればいつでも相談に乗ってくれます。ホームページにはそれぞれのサービス内容や、割引クーポンも!ブログではお得な情報が随時更新中!
是非ホームページを覗いてください!

プラスワン(株式会社日本オートプラザ)
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