フィリピンでカウンセリングを受けた話その3〜怒りの石の話〜

離婚してから、子供と疎遠になってから、辛い日々が続いている。薬のおかげで精神は安定はしているが、過去の清算がまだできていないらしい。

今日はカウンセリングの2回目だった。前回、自分に起きた悲劇を大まかに伝え、今回はより深く特に元妻との出会いから別れまでを話していった。

なぜ彼女のことを好きになったのか、どのように関係は悪化していったのか。

先生は、離婚の理由を知りたがっていた。そして、離婚の理由というのはそれぞれの見方によって異なることも理解していた。

僕の離婚の理由は、五つある。

1、単身赴任という日本の悪習の被害者

2、元妻が実家依存症だったこと

3、僕自身がアスペルガーで、ストレス環境に置かれた時に怖くなること

4、僕の実家の家族と妻の実家の家族の相性がひどく悪かったこと(うちは父親が強い権力を持っていて、あちらは母親が強い権力を持っていた)

5、僕に女性を見る目がなかったこと

この中で、コントロールできないものは、1、2、4だ。自分以外のこと。社会のこと。それを責めることに時間を費やしていると、あっという間に幸せになるチャンスを逃してしまう。今回のカウンセリングでは、それを言語化できた。かっこ(今までもなんとなくわかってはいたが、言葉にするのは初めてだった)

自分が人を見る目を養うことと、自分の短所と向き合うこと。それが今後、自分がより良い人間関係を築くために自分がコントロールできることだ。

また、「怒り」という感情について、こんなことを言われた。

君が怒りを誰かにぶつける時、君は既に自分の手に「燃えている石」を持っているようなものだ。その石を相手へぶつけるというのが怒るという行為。怒るためには、既に自分の手を火傷しないといけない。怒ることで、まず傷つけているのはあなた自身なんだ。

その通りだ。怒りの感情は、傷つくことから始まる。怒りをコントロールするとは、傷つかない方法を探ることなのだ。

先生は「Are you a bad person?」と聞いてきた。答えにつまる。

悪い人などいるのだろうか。人がいて、悪いとされる行動を起こすことがあるだけだ。

「赦し」のプロセス。

次回は「許すこと」について深くやっていくと告げられ、今回のカウンセリングは終了した。

僕は子供を誘拐した妻の母親を酷く憎んでいる。未だに赦すことができない。怒りの石が、まだ僕の中にあって、それが自分自身も傷つけているんだ。




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