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月例経済報告(2020年11月)雑感

2020年11月25日に11月の月例経済報告が公表されました。基調判断は「厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる」と4か月連続で据え置きですが「感染症が内外経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要がある」というただし書きが付きました。各論では設備投資が「弱い動きとなっている」から「このところ減少している」に下方修正、生産が「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直している」に上方修正されました。生産はやや上向いているが設備投資は減少してしまったということですね。

7-9月期に関しては前期比プラス5.0%(年率換算21.4%)と4四半期ぶりのプラス成長となりましたが前期が激しく落ち込んだことからプラスになるのは当然の結果です。前年同期比ではマイナス5.8%です。4-6月期の落ち込みは前年同期比マイナス10.2%だったので半分程度しか戻っていません。

輸出に関しては対中国と対米が好調となり、EUの回復が不十分にもかかわらず10月速報値は前年同期比でマイナス1.6%とほぼ前年並みの水準まで戻ってきたのですが、個人消費は2019年10-12月期を100として95.5と戻りきらないようです(前期比ではプラス4.7%です。)。雇用者報酬は同様にして97.2なので所得の落ち込み以上に消費が落ち込んでしまっていることが分かります。

雇用情勢では9月の失業率は8月と変わらず3.0%ですが雇用者数は徐々に回復してきており11月は有効求人数も伸び始めたようです。

しかしながらコロナ第3波の到来が明確になり今週からGoToキャンペーンの見直しがはじまるなど経済にも再びブレーキがかかりそうです。年末に向けてどうなっていくのでしょうか。

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