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居合と抜刀術の違い「手口と離れ」

居合も抜刀術も使い分けが大事。
どちらが「優れている」ではない。
「両方とも」メリット・デメリットがある。

手口「右肘」周辺の違い。


居合の手口
抜付の際、手口は刀で守られる。


抜刀術の手口
抜付の際、手口は無防備。


手口とは、刀を鞘から抜く前の柄に手をかけた時の「右肘」周辺の事です。

この「手口」をおさえられる。と「居合」じゃないと田宮重正は定義づけしました。※田宮重正とは居合そのものを創った人物です。

おさえられるとは、刀の切っ先や槍の穂先、または矢や手裏剣もしくは素手でも「その右肘」は見逃さないぞ。と言う事だと思います。
※【田宮流伝書】にも「手口」について書かれています。


居合のメリット

攻撃でもあり、防御でもある「攻守兼備」。
あらゆる方向からの攻撃に対処しやすい。
「離れ」があるため、鯉口から切っ先が離れた時はすでに相手に刃が届いている。【最速最短】【離れの至極】【一調子】

居合のデメリット

自分と「相手との距離が」測りにくい。
相手に刀の長さがバレ易い。
※右斜め前に刀を抜くため。

抜刀術のメリット

自分と「相手との距離」が測り易い。
相手に刀の長さがバレにくい。
※刀を真っ直ぐ相手に向けて抜くため。

抜刀術のデメリット

抜付けの際、手口「右肘周辺」が無防備になる。
「離れ」がないので相手に刃が届くまでが「遅い」。
※スピードではなく、刃の通り道が「長い」ため。
【最速最短ではない】【離れがない】【一調子ではない】

居合と抜刀術は元は一つの「流派」の「技法」

田宮重正の田宮流は「抜刀田宮流」と言われていました。
残念ながら5代目で田宮流は失伝してしまいましたが、弟子達によって
「流派」は変わったとしても「技法」は残りました。

以下↓田宮流伝書より。
鳥刺し「刀を相手に向けて抜く」
三角のかね「刀を右斜め前に向けて抜く」

つまり、抜刀「鳥刺し」と居合「三角のかね」の両方の技法を有していた。
この二つの「技法」が、それぞれ「分れて」後の流派に「技法」が受け継がれて今日に至ると推測します。

おわりに

今回は居合と抜刀術って何が違うんだろうという疑問を、それぞれの長所と短所をふまえ「私の考え」を書いてみました。
あくまで「個人の考え」に過ぎないので、その辺はご理解いただけると幸いです。






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