KPOPアイドルおたくではないけどアイドルを見守っている人の話


韓国に住んでます、というと「え?ケーポップ好き?」と合いの手のように聞かれる。

わたしはその度にはっきりと「ウェ゛??……う〜〜〜〜ん………???」という。


やはり韓国という国に興味を持ったきっかけはアイドルで、当時は生きる=ツイッターでアイドルの一挙一動に愛を叫ぶみたいな時代もあったけど、

いざ渡韓してからはスン……と消えた。

リアルの世界が充実しだしたから、という健康的な理由だった。



わたしは気難しいおたくで、アイドルを愛していても会いたくはなかった。

だから韓国に来て、アイドルと同じPM2.5で淀んだ空気を吸っているというだけで変態的に満足した。

だからコンサートも聖地巡りもしないしネットで追いかけることすらしなくなった。


だけど私が見なくなってもアイドルたちは止まらない。

私が私生活で人生の迷路にうろうろしている間も、アイドルは命を燃やしてステージに立ち続けている。

かつて応援していたグループを音楽番組で見かけると「あ〜元気にやってるのね。よかった…健やかにね…(実家の母の心)」と思うぐらいの距離感でいた。



でも先日、そんな距離感をものすごい速さで縮める出来事があった。

たまたま、偶然見たあるグループの最新MV。

わたしは結構いろんなグループを渡り歩いたのだけど、事務所の方針や流行り、市場の変化なんかで割と容易くグループの雰囲気は変わってしまうものだ。
久しぶりに見た推しがゴリゴリメイクでチャラついてたりすると割と悲しい…

そんななか、彼らはコンセプトを変えないでいてくれた。

むしろ初期のコンセプトを維持したうえで、さらに高クオリティで被せてきてくれていた。

『変わらない』でいてくれる、それがどれだけありがたいことか!




わたしは誰かのファンというよりも、アイドルという存在が好き。

彼らは暗くて道のない宇宙を切り進んでいく流れ星のようだと思う。

宇宙に上も下もなく、彼らだけのゴールのために一直線で進んでいく。

星が駆けて行く様は美しい。一秒一秒を燃やして前に進んでいく。

だからとても眩しくて私たちはその姿に陳腐だけど生きる気力をもらえるのだろう。

すでにゴールにたどり着いたアイドルたちは消えることのない輝きを持ったひとつの星になるし、彼らを愛した私たちはいつでも光を眺めることができる。



そのグループをこれからまた推してくぞい!って話ではなく、

私はたぶんこれからも「みんな健康第一よ…幸せになるのよ…」という見守りおたくポジでいくのだけど『アイドル』という存在への感謝は忘れないでいたいと、改めて思った。

わたしの知らないアイドルにもたくさんの愛と未来があふれていますように。


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