私の無意識領域は無課金シムシティくらいの雑魚(無限列車編をみた話)

無課金のシムシティがどの程度かは知らん。中途半端の意。


鬼滅の刃の映画見ました!ダブルピース
みんながやいのやいのしてる時は、フン………って通り過ぎるタイプなので今頃見ました。アニメの方も、世間のほとぼりが覚めた頃に通して見ました。


正直アニメは、ほーんって言って終わった。

わたしはアニメより漫画で感情移入するタイプだからかもしれないけど、登場人物の悲しみや苦しみが、感動や共感を呼ぶほど特別なものではないと感じた。世界観がダーク!と言われてもほとんどの漫画は大体ありえないほどダークだよね。と思うし、主人公の壮絶な経験からの努力も成長も、他の漫画やアニメを見ていれば、まあそういうことあるよね……ドンマイ(涙と筋肉の絵文字)とさらっと受け入れられるものだ。
ケチつけたいわけではなく、たくさんある面白い少年バトル漫画の中のひとつだな、という感想だった。

それでもヒットした要因などはググってもらえば頭の良い人たちのそれらしい説が出てくるので割愛するけど
わたしは”絵も綺麗+話(目的)がわかりやすい”ので普段アニメや漫画を見ない人も楽しんで見られるんだろうなあと思った。知らんけど。しかし現にアニメ文化に触れてこなかった旦那は横で大興奮しながらみていた。単純でかわいい。

そう考えると、「キメツイイ!イイ!」という人たちのほとんどがオタクじゃない層なんだろうなと思えてしまう。
『家にいて暇だし話題だから見る』と言って見たんだろう。そして新たな世界に衝撃を受け、さも最高のアニメであるかのように広がったのも頷ける。
また、子どもたちに受けたのもでかい。やっぱり『アニメ=子供の見るもの』という意識がある親世代が子供に奨んで見せたりグッズを買い与えたりすれば一気に話題性が大きくなる。

だからと言って、アニメはオタクだけが見るものじゃないし、なんとな〜く作品を見て、それなり〜にブームに乗っておくのも別にまったく悪くないし自由だ。
しかし、私は、作品を見るならちゃんと向き合いたいと思う。
漫画やアニメに限らず、良い作品は自分の中で経験・感情として蓄積されていって、何年後かにふと思い出して(ああ、あの時最高に興奮したなあ)とかしみじみ思いたい……。見終わったあと作者や登場人物を考察して有る事無い事想いを馳せたい……と思う気持ちの悪いタイプのオタクなのでこういう『話題性』だけでせっかくの作品が雑に消費されていくのは、なんだか残念だなあ〜〜〜と思ったのだった。



思ったのだが……



無限列車編めっちゃ素晴らしいわね……


(ここからただの感想です)

一言でいうと超シンプル!めっちゃきれいにまとめられたレポートみたいなすっきり感。

シンプルな理由は
・アニメの続きの話というのもあって事前にどういう状況で始まるのかわかっている(状況の説明が済んでいる)
・舞台は列車だけ
・登場人物も少なく、最後まで同じ
・敵もシンプル
・さらに、見る前に大体の人が煉獄さんが死ぬこと(結末)を知っている

みんな頭空っぽにして見ても大丈夫なくらいスマートな作り
どうなるか全部わかってて乗るスプラッシュマウンテンみたいなもん

ufotableの映像美と声優の演技で物語がさらに鮮やかに生き生きしているっていうか生きてる。何度噛んでもおいしい。噛むたびにおいしい。嘘のような完成度。

もう5回目です!という人の気持ちもわかった。これはもうスプラッシュマウンテンだからね。

人々が煉獄さん煉獄さん言う理由も心から理解した。あれは結末をわかっていても「れんごくさんがんばえー!」と言わざるを得ない。わたし煉獄さんのことまったく知らんけど映画だけであの人が母の言いつけを守るために、柱として死んでいった仲間の無念と責任を果たすために、どれだけ前のめりで自分を鍛錬してきたのだろうと思って悲しくなってしまった。まだ若そうなのに。生き様が仏。今日知ったのに今日お別れすることになってどんな顔したらいいのかわからない。もし私が鬼だったら煉獄さんに斬られたい。あるいはお悩み相談したい。

主人公の竈門炭治郎さんもやばい。今時のジャンプ漫画であんなに心が透き通った主人公いる?人間何かしらひねくれた部分とか下心があるというのに……。今回のあの無意識領域見て涙出そうになった。こんな汚れた世界にあんな澄んだ心の子がいるなんて……。生まれたばかりの赤子かたんじろうさんしかいない。たんじろうさんを目の前にしたら自然に涙がこぼれて両手を擦り合わせてしまうと思った。あるいは最近の悩み相談したい。


ここへきてやっと、鬼滅の刃って面白いね!!と歯茎剥き出し笑顔で言えた。内容もよかったけど、アニメのクオリティという点でめちゃ満足した。
何よりも超絶バカ人気でミーハーだの面白くないだの話題性だけだのグダグダ言われているのを「そっすか?(笑)」って実力でねじ伏せた感じに感動した。400億叩き出すのに実力がないわけがないんだけど。

まあそりゃ全然よくなかった、気に入らなかったという人もいるだろうし、万人受けは存在しないから私の感想も大多数のなかでは猫ちゃんの目くそほどでしかないけど。

それでもこの映画に私はニッコリ大満足で、数ある名作の中の一つになるのだろうな、と心のオタクポケットにそっとしまうのであった。

おわり




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