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映画の予告編

映画の予告編が好きである。

映画は予告編も本編と同価値であるから、
「まだ予告編やってるから、本編には間に合うよね」という言葉が嫌いである。
もう本編は始まってる。

予告編は正直本編より面白いことすらあるから困る。
そして、映画館で幾ら流れていても問題はない。また予告編か…、ではなく、まだ予告編だ、である。
そんな私の好きな予告編は、まずは『ロード・オブ・ザ・リング』。


この予告編は素晴らしい。何度見てもワクワクさせられる。
どのような作品で、どのような展開になるのか、過不足無く説明されている。
この当時は、空前のファンタジー映画ブームで、
『ロード・オブ・ザ・リング』と『ハリー・ポッターと賢者の石』がほぼ同時期にシネコンにかかってわけだから、すごいことだ。その後途中打ち切りのナルニア国物語や、3部作予定が1本で打ち切られた『ライラの羅針盤』など、ファンタジー映画の隆盛が2000年代後半まで続いた。2008年には『ダークナイト』、同年に『アイアンマン』が全米3億ドルのヒットを飛ばして、2010年代はアメコミ(特に、DCではなくマーヴェル)が取って代わる。。

SF映画の予告編で、いや、すべての予告編の中で一番好きなのは『エリジウム』である。

本編は珍作だったが、予告編だけ観ると、とんでもない傑作に思えてくる。
然し、もう一度書くが、本編は珍作で、『第9地区』は面白かったのにと、がっかりしたのだった。
監督のニール・ブロムカンプは天才だと思うし、『チャッピー』で持ち直したが、『エイリアン5』は流れてしまった。

そして、『ブレードランナー2049』の予告編は予告編2(3本ある)がいい。

予告編で使われる音楽が一切本編で流れないのはご愛嬌が、然し、この音楽のブレラン感は半端なく好きだ。
誰もが『ブレードランナー』の続編は不可能だと、コリン・ファレルの『トータル・リコール』並の珍作になるだろうと思っていたはずだが、出された作品には舌を巻いた。
この作品は予告編もいいが、本編が私的映画史上のマスターピースなので、
未だに予告編は週に3回ほど見続けている。本編は最近は月イチペースになってしまっているが、何度見ても最高だ。

とにかく、予告編はいい。本編よりもいいことがある。
予告編は奇術のようだ。大抵の作品は、種が見えるとくだらなくなるから。

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