砂浴

昔からのデトックスの方法に砂浴というものがあります。自然療法家の東城百合子先生の著書にも紹介されていますのでご存じの方も多いかと思います。砂浴と呼んだり砂療法と呼んだり呼び方は色々ですが、海、湖、川の砂浜で数時間(3時間~多いと10時間)顔だけを出して全身を砂に埋めて皮膚から排毒をするというものです。

体に砂をかけますので最初はその重さが気になるのですが次第に砂の重さが心地よくなり、そのうちに砂の重さは気にならなくなります。1時間もすると皮膚のあちらこちらでチクチクとした感覚や虫が這っているような感覚がしてきますが、この感覚は皮膚が毒を出そうとしているのだそうです。不思議な事に砂のかかっていない顔や頭皮部分でもこのチクチクとした感覚がしてきます。体全体で毒を出そうとしているのでしょう。

数時間後砂から体を出して皮膚を見てみると、赤いぽつぽつとしたものがあります。先ほどのチクチクとした感覚や虫が這っているような感覚はこの赤いぽつぽつとした部分から毒を出しているときに感じたもののようです。
赤いぽつぽつは一週間くらいは残り続け、砂浴後も排毒し続けます。
排毒をしている間は皮膚が開いた状態ですので、皮膚に直接つけるもの(例えば化粧品など)は控え、入浴もバスク〇〇などの入ったお湯ではなく、重曹やエプソムソルトを入れたお湯にしたいものです。

食生活の乱れや生活リズムの乱れなどで体にたまった毒を一年に一回でも砂浴で排毒しますと本当に体全体が生まれ変わったようにすっきりとします。
体から毒を出してくれた砂ですが、毒をため込んだ人の砂浴後の砂には当然たっぷりと毒が染み込んでいます。もちろん目には見えませんが、ガスとなって砂に溶け込み、空気中に溶け出しますので敏感な人はこのガスを感じて気分が悪くなることがあります。

砂浴に似たもので、糠や木くずを発酵させた酵素風呂というものや、畑の土を掘って体を埋める方法もあります。温泉地などにある砂風呂も似たようなものかもしれませんね。前述したように、砂や糠、土に直前に入浴した方の毒が溶け込んで抜けきっていない可能性もあります。海や川、湖など大自然の中であれば大自然が毒を流し、自然に返してくれますが施設で運営している酵素風呂や砂風呂の場合は朝一番に入るなどしたほうがよいかもしれませんね。

砂浴では砂に埋まっていない顔や頭皮からも排毒しているという話をしましたが、この考えを応用して、近くに海や川がなかったり気軽に外出できないという方は、さらしで袋を作り砂をいれた砂袋を作り、砂袋を枕にしたり胸や背中に当てて排毒する方法もあります。毒を吸い込んだ砂袋は日に当てたり陰干しをすれば毒がなくなりますので何度も使えます。

デトックスというとサウナや岩盤浴がすぐに思いつきますが日本にも昔からデトックスがあったんですね。農作業や山仕事などで疲れた身体を農閑期に温泉で癒し、砂浴でデトックスし、山や海の恵みを頂いて地の神様やご先祖様に感謝し翌年の豊作豊漁を願う。そういう生活の中の知恵なのでしょうか。

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