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金髪姿で熱演する小芝風花の疾走感が素晴らしい/ドラマ『波よ聞いてくれ』

ぼちぼちと新ドラマを視聴しているのだが、「思ってたんと違ーーう」など(笑)、まだこれといってピンとくるものがなく、全部様子見状態になっている。

そんな中、録画しておいた小芝ちゃんの新作ドラマ『波よ聞いてくれ』を観た。「金髪!? これって何の役なのか?」と、違和感アリアリ予告CMを見ていたため、「念のため視聴」のつもりだった。

しかし蓋を開けてみれば、「なんじゃこりゃ! なんじゃこの台詞量! しかも一切台詞を噛まないぞ小芝ちゃん!」と圧倒されっぱなしである。

金髪に真っ赤な口紅でマシンガントークを繰り広げるのは、小芝風花ちゃんが演じる主人公・鼓田ミナレ。破天荒でやさぐれているが頭の回転が速い彼女は、スープカレー屋「VOYAGERボイジャー」のアルバイト店員。あるとき彼氏にフラれた上に金までだまし取られ、バーで飲んだくれながら隣席の男に失恋トークをしたところ、とんでもない出来事がふりかかる。しかし、結果的に彼女をラジオの世界へと誘う大きな転機となる。

ドラマのキーマンは、物怖じしない痛快なミナレのトークに惚れ込んだラジオ局の制作部チーフディレクター・麻藤まとう兼嗣。バーで出会った隣席の男である。麻藤のせいで(おかげで)、「殺してやりたい」とまで思っている元カレに対する怒りを、ラジオ局に乗り込んでマイクの前でぶちまけることになってしまったミナレ。彼女の類まれなる才能を見出す麻藤役は、北村一輝さん。ニヤニヤしながら(←褒めてる)演じている。

最初から最後まで小芝ちゃんはキレッキレ。シャウトしながら全力疾走だ。第1話は、ミナレとラジオの出合いが描かれた。ずっと笑いながら観ていたら、終盤いつの間にやら2時間ドラマの形相になり、「これって現実? 非現実?」と思わせてからの着地。いい意味で裏切られた。テンポもよくて、自分好み。

ドラマにはコミックの原作があるとのことなのだが相変わらず読んでおらず、この先どんな展開が待っているのかまったく分からない。ただただ、小芝ちゃんが凄いので観てほしい。啖呵を切る小芝ちゃん、じゃなくてミナレには、清々しさすら感じられる。言葉使いが荒くてやさぐれ感が振り切れているけれど、そんな中にもかわいく品が漂うのは小芝ちゃんだから。金曜日の夜が楽しみになった。

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