ノスタルジックな味(笑)
最近、妻の眼を盗んでインスタント食品の研究に余念がない。
わたし独りが食べるのだから妻に文句を言われる筋合はないと想うのだが、やはり心の奥底ではわたしに長生きして欲しいらしい(笑)
わたしとしてもインスタント食品の研究は、あくまでもノスタルジックな記憶の発掘作業のつもりである。
昨日は1963年発売の日清焼きそば(袋麺)を野菜をたっぷり入れて食したが、案の定、初めて食べたあの日のことを鮮明に想いだすことができた。
特に紅ショウガとのハーモニーは絶妙であった。
当時はバンコックに住んでいて日本の食材はすべて専門店で買っていたので、日本の6倍の値段だった(懐かしさにつけこまれて暴利をふんだくられていたわけである 笑)。
小学生のわたしは祖国の高級食材(傍点)を複雑な想いで滂沱(ぼうだ)の涙を流しながら食べたのであった。
今日は日清焼そばU.F.O.(カップ麺)に挑戦しようと想っている(モチロン妻には内緒である)。
未知の味である。
初体験(傍点)である。
【つづき】
たまに松本零士の『男おいどん』のノリで無性にラーメンライスが食べたくなるときがある。
今日はそれをヒントに焼きそばライスなるものを食してみた。
焼きそばパン好きなので、当然なのかもしれないが、生まれて初めての焼きそばライスは非常に満足のゆく食事になった。
インスタントだったことは伏せて妻に焼きそばライスの報告をすると、「あ、そう」とそっけない返事が返ってきた。
こんなことでいちいちガックリしていては男がすたるので、「今度、君も試してみたら?」と優しく声をかけたときにはすでに背中を向けていた。
なんという冷酷非情な女なのであろう。
妻にメーテル役を期待したわたしが愚かだった……
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