【映画】「トレイン・ミッション」感想・レビュー・解説

いやー、面白い映画だったなぁ。

内容に入ろうと思います。
刑事から保険の販売員に転職したマイケル・マコーリーは、10年間、ほぼ変わらぬ通勤風景を見続けてきた。同じ朝、同じスケジュール、同じ人…。しかしその日は違った。上司に呼ばれると、いきなり解雇を突き付けられたのだ。成果が雇用条件に見合わないと厳しい通達。60歳のマイケルは、定年まであと5年なんだ、と粘るが、どうにもならない。
その帰りの車内でも、いつもと違うことが起こった。ジョアンナと名乗る女性がマイケルの向かいに座り、奇妙な話を始めるのだ。もしも、あなたにはまったく関係ないことで、しかしそれが誰かの人生に関わるようなことを誰かに頼まれたら、あなたは引き受ける?と。いつしか仮定の話ではなくなり、マイケルは突然、奇妙な人探しをさせられることになった。
探すのは、普段この電車では見かけない人。コールド・スプリング駅で降りる。通称“プリン”―。これだけの情報から、マイケルは人探しをしなければならなくなった。
やがて彼は知る。彼が、いかに危険なゲームに参加させられているのかを…。
というような話です。

ハリウッド映画、なのかどうかは分からないけど、ハリウッド映画みたいな、とにかくノンストップでストーリーを走らせる、息をつかせない作品だなと思いました。冒頭でジョアンナという謎の女から奇妙な依頼を受けてから、とにかく立て続けに色んなことが起こる。彼には、このミッションについて、本当に最小限の情報しか与えられていない。何のためにプリンを探すのかも分からないし、プリンに関して具体的な情報はほとんどない。何せ、男か女かさえ分からないのだ。彼の強みはただ一つ。10年間、同じ電車に乗り続けたことで、「いつもの通勤客」以外の人間に気付きやすい、ということだけだ。

マイケルは、うっかり弱みを見せてしまったがためにこのミッションに引きずり込まれることになってしまったのだけど、まあ確かに、もしかしたら僕も乗っかってしまうかもしれないなぁ、という気はする。もちろん、普通の状態であれば乗らないだろうけど、マイケルは会社を解雇され、それでも家族を養っていかなきゃいけないというプレッシャーがある。息子の大学のこともある。蓄えはゼロ。妻は一家の財政について危機感を持っていない。マイケルがなんとかするしかない状況だ。そんな中で提示された条件なら、手を出してしまう可能性もあるかもしれないと思う。

しかしまあ、そうやって手を出したミッションが、まさかこれほど根深いものだったとは、という感じでした。中盤から終盤に掛けて、「助かった!」と一旦ホッとする場面があるのだけど、実はまだそこからひと山待ち構えているという感じ。そして、「最終戦」はホントに、マイケルの日常をすべて打ち壊していくような、そんな残酷で無残な展開を見せることになる。


具体的に書けることが少ないので感想が難しいですけど、とにかく物語が動き始めてからはノンストップで進んでいく、エンタメ作品としては非常に面白い作品だと思いました。

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