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Google Cloud実務未経験がProfessional Machine Learning Engineerに合格するまで

分析部の町田です。
今年1月、Google Cloudが主催するGoogle Cloud Certified Professional Machine Learning Engineerに合格しましたので、試験の流れと対策法についてご紹介しようと思います。




1. 自己紹介

プロフィール

  • 社会人歴2年目 (社内SE1年、データサイエンティスト9ヵ月)

  • Google Cloud実務未経験 (AWS, Azureは少し触った経験あり)

  • 学生時代の研究テーマは画像認識

  • 資格: 統計検定1級、OSS-DB Gold、DSエキスパート、応用情報など

受験動機

  1. クラウド上で個人開発したいアプリがあったため

  2. キャリアアップに活かすため


2. Professional Machine Learning Engineerとは

試験の概要

Professional Machine Learning Engineerは、Google Cloudにおける機械学習系サービスを使用して、ビジネス上の課題を解決する機械学習システムを設計、構築、運用、最適化できるスキルを認定する資格です。
Google Cloudのサービスに関する知識だけでなく、機械学習モデルの実装や、データパイプラインの設計・運用といった専門的な知識が問われます。
受験にあたって何かの資格や公式セミナーの受講は必要ありませんが、公式HPでは「Google Cloudをを私用したソリューションの設計と管理の1年以上を含む、3年以上の業界経験」が推奨されています。
なお、2024年現在、試験は英語版のみ提供されています。
また、2023年11ヵ月にシラバスが改訂され、出題範囲が大幅に変わっているため注意が必要です。

試験の難易度

試験の難易度は、Google Cloud認定資格の中でも最難関クラスと言われています。
理由としては、まず試験問題がすべて英語であること、そして機械学習に関する幅広い知識が要求されることなどが上げられます。
さらに2023年11ヵ月よりシラバスが改訂されており、新シラバスに対応した書籍・文献・問題集は今のところ存在しません。
そのため、試験対策するためには自ら情報収集を行う必要があり、そのことも本試験の難易度を上げる要因となっています。

試験の流れ

自分はオンサイト(試験会場)での受験を選択したので、そちらの流れで説明します。

  1. Webassessorの英語アカウントを登録

  2. Webassessorから試験の申込み

  3. 試験当日、試験会場で受付を済ませて、会場のPCで受験する

  4. 解答を提出し、アンケートへの回答後、即座に試験結果が表示される

  5. 数日後(10日以内)、登録したメールアドレスに合格証が送付される

基本的に他のCBT試験と試験の流れは同じです。
なお、試験問題は英語ですが受付の人は日本人ですのでご安心ください。

受験の際の注意点

  • Webassessorのアカウント毎に異なるメールアドレスを指定する

既に他のGoogle Cloud認定資格を持っている方は、Webassessorの日本語アカウントを持っていると思います。
しかしProfessional Machine Learning Engineerを受けるには、英語アカウントを別に作成する必要があります。
その際注意してほしいのが、同じ双方のアカウントで同じメールアドレスを使用しないということです。
同じメールアドレスを使用してしまうと、後に試験結果を受け取るためのアカウントが二重に作成されてしまい、ログインできなくなります。

  • Webassessorアカウントのプロフィールには、ローマ字ではなく漢字氏名を入力する

アカウントのプロフィールに名前を入力する際、First NameとLast Nameを聞かれますが、漢字の姓名をそのまま入力してください。
ここでローマ字の名前を入力してしまうと、試験の本人確認を実施する際、身分証明書と一致しないため試験が受けられなくなります。

  • 注意事項を読んでいる間は試験時間にカウントされない

試験当日、「Start」のボタンをクリックすると最初に注意事項が表示されますが、その間はタイマーが進みません。
第1問が表示されるまで試験は始まりませんので、注意事項はゆっくり読むようにしましょう。
ちなみに試験後のアンケートも試験時間には含まれないため、制限時間ギリギリで提出しても問題ありません。

  • 当日は身分証明書が2枚必要

当日は写真付き身分証明書の他に、クレジットカード、デビットカード、社員証のいずれかが必要となります。1枚だけだと受験できない可能性があるので注意しましょう。


3. 勉強方法

目標設定

まず勉強のゴールですが、今回は本番試験での合格確率8割以上を目標としました。
理由としては、試験料が高いので再受験したくなかったのと、
これまで全資格試験を一発合格で決めているので、その記録を維持したかったからです。
次に目標達成度の評価方法ですが、「過去問における正解率」を合格確率の指標とすることとします。具体的には、過去問で51問中40問正解することを目標としました。40問とした理由ですが、「本番試験で7割以上正解する確率」を統計的に算出し、その確率が80%以上となるギリギリのラインを選んでいます(数学的な証明は長くなるため割愛)。

勉強の流れ

網羅的な学習と目標達成度評価を効率的に行うため、以下のような流れで勉強を進めました。

  • ~1週間前: Google Cloudの機械学習系サービスの基本を学習

  • ~3日前: 過去問で目標達成度評価 → 理解が足りてないところを深掘り

  • ~当日: 総復習

試験の約3週間前から対策を開始し、総勉強期間は120時間でした。

~1週間前

学習初期はGoogleの公式ビデオなどを見ながら、機械学習系サービスを一通り学習しました。なお、機械学習分野に関しては学生時代に勉強していたため、この時点では特に学習は行いませんでした。

~2日前

一通り概要を学習し終えた後は、過去問を1セット解く → 分からなかったところを公式ドキュメントで深掘りという形で進めました。
過去問は1セット解くたびに目標達成度を評価し、その結果に応じて勉強量へのフィードバックを行いながら進めました。
その結果、3セット目の過去問で51問中44問正解し、見事目標を達成しました。

~当日

目標を達成しても、気を緩めるべからず。
少しでも合格確率を上げるため、自分が残したメモを見直す・苦手分野の理解を深めるなどして総仕上げを行いました。

教材

機械学習系サービス

Professional Machine Learning Engineerでは、Google Cloudのサービスに関する問題が最も多く出題されるため、重点的に対策を行う必要があります。

Google Cloudが公開している機械学習エンジニア向けの研修プログラム。
動画やハンズオンを通して、機械学習系サービスの使い方を一通り学ぶことが可能です。

機械学習 + Googleのベストプラクティス

試験本番では、単に機械学習についての一般的な知識を問われるのではなく、
Googleのベストプラクティスに従って適切なソリューションを選択する問題が出題されます。
そのため、機械学習の知識に加え、Googleのベストプラクティスを学ぶ必要があります。

Googleが公開している、機械学習アルゴリズムや実装の基本について学ぶための資料です。
要所要所にGoogleならではのベストプラクティスが記載されており、実務にも応用できるスキルを学ぶことができます。

試験対策教材

2024年1月現在、新シラバスに対応した教材は存在しません。
新たに教材が出るまでは、旧シラバスの教材で学習を行い、試験のシラバスを見ながら不足している知識は自力で収集する必要があります。

Professional Machine Learning Engineerの試験向けに特化した動画講座です。
セール期間中は大幅に割引されるため、セール期間を狙うことをお勧めします。

株式会社G-genが独自に公開している、試験対策のためのチートシートです。
内容は薄いですが、試験対策ではマストで読んでおきたい資料です。

問題集

問題集に関しても、新シラバスに対応するものは今のところありません。
ただし試験の形式自体は変わっていないので、旧シラバスの問題集を買って試験形式に慣れておくことをお勧めします。

旧シラバスにおける過去問を集約した問題集です。
3回分の模擬試験を通して、本番に近い形式で問題を解くことができます。

Amazonで低価格で購入できる問題集です。
旧シラバスに対応した独自の問題セットからなっており、機械学習分野の英語に慣れておくことができます。


4. 所感

試験の内容自体思ったより難しいものではなかったのですが、結局のところ新シラバスへの対応が今回のボトルネックだったと思います。教材自体は平易な内容のものが多く、Google Cloud初心者でも理解できるものがほとんどでした。しかし、今回新シラバスに対応した教材がなかったため、シラバスを網羅的に対策しようと思うと自分自身で情報収集する必要があり、そこが一番苦労した点でした。
英語に関しては、そこまで難しい表現は出てこないのですが、2時間ひたすら英語の文章を読み続けるため、集中力が大きく削られます。実際私も試験中に一度集中力が切れたため、途中3分ほど自主休憩を入れました。今後受験しようと思っている方は、普段から海外の技術記事などを読んで英語に慣れておくと良いと思います。




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