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デザインを言語化する

分析屋の西村です。
業務では生成AIの新規事業開発に携わっており、その中でデザインに関する仕事も担当させていただいています。
(技術ブログのサムネイルもいくつか担当しております!)

分析屋の技術ブログにはデザインに関する記事が現状あまりないのですが、わかりやすく伝えるためにデザインは必要なものだと思うので、これからデザインに関する記事を増やしていければなと思っています。

今回は「デザインの言語化」という本について紹介します。

この本はタイトルを見ると一見デザイナー向けの本かな?という印象を受けますが、デザインを発注する側も知っていて損はない内容だと思います。
デザインを発注/受注してなぜかうまくいかなかった、という経験がある方にぜひ読んでもらいたい本です。


本の概要

この本では、デザインを言語化するステップを4つの章に分けて解説しています。

  1. コンセプトを言葉にする

  2. デザインの意図を伝える

  3. クライアントの要望を汲み取る

  4. チームでの仕事を円滑に進める

本の中では実際にクライアント側から出てくるあるあるの質問とその回答例が記載されており、「なるほど、そう答えればよかったのか」と納得するものばかりです。

今回の記事では、1章と2章の内容ついて印象深かったものを一部紹介します。

STEP1.コンセプトを言葉にする

この章ではデザインのスタートとなるデザインコンセプトの言語化に焦点を当てています。

コンセプトを言語化する際に大切なのは、クライアントの思いを読み解くこと、
そして、そのコンセプトを依頼時に使った言葉を使って説明する(相手との共通言語で会話をする)こと。

コンセプトの作り方に関しても鉄板の「A&B構文」やペルソナ設定方法が紹介されています。

■A&B構文

1. ふたつの動詞をつなげる「動詞型」・・・どんなものなのか想像しやすく、商品やサービスの魅力を伝えるのに有効
2. イメージが近い言葉をつなげる「同義型」・・・新鮮さに欠けるが、初めてのクライアントとの案件に最適
3. 相反する言葉をつなげる「対話型」・・・キャッチ-な言葉を作りやすい魔法の構文だが、実現しにくい

本より抜粋

こちらの内容については、下記サイトでも解説されています。

この章はコンセプトをどう作っていくか、というより、「なぜコンセプトを言語化して伝えることが大切なのか?」「どうやったらクライアントに伝わるのか」ということが重視された内容かなと個人的に感じました。


STEP2.デザインの意図を伝える

この章は、「どうしてこのレイアウトにしたのか」というクライアントの問いから始まります。

この本で紹介されていた答えとしては、レイアウトの原則を分かりやすい言葉で伝えることです。
デザイナーとしては何気なく使っている構図(二分割法、三分割法…etc)をはっきりと言葉にして説明することで、レイアウトのセオリーに沿ったデザインなんだ、とクライアントに説得力を持たせることができます。

私はこの問いの答えをすぐに思いつくことができませんでした。
自分が作成したスライド資料やバナー、Webデザインを振り返ると、配色の意識は多少しつつも「なんとなく余白をこのくらい開けたほうが見やすいかな」「文字を目立たせたいからこの位置に置こう」くらいの意識で作っていたため、レイアウトを意識しているという答えが自分の中にはなかったためです。

他にも主観が入りやすい配色の説明について言及しているセクションもありました。
なぜこの色を選んだのかを説明するときに、「赤は情熱的で、青は誠実なイメージがある」といったイメージの話だけではなく、色にまつわるエピソードを交えることでより説得力のある説明をすることができます。

例えば、紫色を選んだ時、紫色といっても、赤みが強い紫と青みが強い紫など様々な色味があります。
選ぶ基準として、色が持つなんとなくのイメージだけではなく、↓のようなエピソードを踏まえると選び方がまた変わってくると思います。

赤みが強い紫である京紫は紫根染という技法で染められた紫が起源で、美しく染め上げることが難しく、非常に高価な色なので、位が高い人のみが着用できた色であり、
一方で青みが強い紫である江戸紫は東京の武蔵野に自生していた紫草で染められた色であり、江戸を想起させる色となっています。

本より抜粋

赤は情熱、青は誠実とはまた違った色の一面が感じられます。

こういったエピソードを知識として身につけておくことで、コンセプトにふさわしい色の選び方ができたり、クライアントへの説明の幅が広がるので、色に関する知識も深めていきたいです。


サムネイル作成を言語化してみる

知識を付けたところで、日々担当しているデザイン業務の中の一つである、この技術ブログのサムネイル作成で、デザインの言語化を実践してみたいと思います。

言語化を意識しながら作成したサムネイルがこちらです。
かなりシンプルなものになりました。

今回のデザインコンセプトは「Interpret(解釈) & Communicate(伝達)」です。
本を読んで、クライアントの意図をくみ取ったコンセプトやデザインの意図を「言葉で伝える」ことの重要性を改めて感じました。言葉で、という部分が強調されるように、あしらいやイラスト等を一切なくした無地の白背景にしています。
また、ふわふわとした抽象度の高いものがどんどん言葉として明確化していく言語化の過程を示すために、「言語化」の部分に焦点をあてて、ほかの文字はぼかしをいれています。

私が考えたコンセプトが伝わるデザインになっているでしょうか?
コンセプトを考えるA&B構文はこれまで使ったことがなく(考え方があっているのか…?)、また自分の頭の中にあるイメージを言葉で表現する経験もあまりなかったため、時間もかかり難しかったです。


おわりに

私自身感覚派の人間で、思ったことを言葉にすることに苦手意識を持っています。
この本を手に取ったきっかけも、今まで自分で担当していたデザイン業務を発注する機会が今後出てきそうで、
自分のイメージを言語化して相手に伝えられるか、完成したデザインに対して自分の評価を言語化できるかが不安だったからです。

サムネイル作成で言語化の練習をしてみましたが、すぐにできるようになることでもないので、日々のデザイン作りから言語化を意識したいと思います。

今回は紹介できなかった内容も今後記事にしていきたいと思います!



ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
この記事が少しでも参考になりましたら「スキ」を押していただけると幸いです!

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