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たいたん。

宿を取っていた彦根から電車で20分。黒壁スクエアと海洋堂ミュージアムを目的地に長浜へ。その日の昼食は、名物である焼鯖そうめんの専門店に入ることにしました。店内は老舗感のある畳敷き。程なくして運ばれてきたそれは、見た目も名前そのままで、甘辛い出汁の染み込んだ柔らかい鯖とそうめんを、とても美味しくいただきました。

焼いただけでここまで味が染みるのだろうかと調理方法が気になり、店員さんに尋ねてみると、「鯖をたいたんを乗せるんよ」(方言は曖昧です)との回答。たいたん。関東では馴染みはない言葉だけれど、関西では主に煮物のことをたいたんと言うらしい。大根のたいたん、小松菜のたいたん、かぼちゃのたいたん。とても味が染みていそうで、素敵な響きです。

旅から帰って調べてみると、関東で焼鯖そうめんを食べられるお店は無いようでした。なかなか食べられないことを知り、『もう一度食べたいもの心のベストテン第一位』に満場一致でランクインしました。名物や土産物がどこにいても手に入る時代ですが、現地に行かないと食べられない状況を、是非とも守り抜いてほしいと思います。

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