プロポーズ

新人研修中のできごと。

夕方、研修が終わりオフの時間。

畳の部屋でメンバーと雑談。

急に逆立ちをする流れになった。

みんな、逆立ちをし始めた。

はじめは傍観者だったけど、専務(ルームメイト)により僕にも白羽の矢が立った。

やってやるぞ!

とはいえ、逆立ちなんてやったことないよ。
昔は壁に向かって倒立することも怖くてできなかった。

踵をぶつけるのが怖かった。

でも今は壁ないからその心配はない。

しかし裏を返せば支えるものがない。

力の調整が大事…うだうだ言ってても仕方ねぇ飛ぶぞ!

そうして僕は逆立ちをし、そのまま前に倒れた。

尻から畳にドスン!と落ちた。

衝撃で僕の身体はそこそこ跳ねた。スーパーボールみたいに。

その様は結構ウケてた。みんな爆笑してた。

やって良かった。嬉しかった。

ここで尻込みしちゃあ場を盛り下げんだよな〜
やるべきことはやった。

みんな、大事な局面でイモ引いちゃあダメだぞ!(どの口が言うか)(好きな女性に面と向かって好きって言えなかったくせに)

……

続いてダーマ(ルームメイト)も指名され逆立ちすることに。

先ほどの僕の尻からの着地を見てビビったダーマは足を支えてくれる人が必要というので、専務が横に立って前に倒れないように支える係を引き受けた。

ダーマと専務は仲が良いわけじゃなかった。
だからダーマは専務のことを信用してなかった。

以下、2人の会話。

ダ)専務以外でお願い!

専)なんで?俺やるよ。

ダ)変なことするやろ?股間触るとか手添えないとか。

専)やらんって!

ダ)やるって怖いって!

専)大丈夫やって!絶対支えるから!

……

「絶対支えるから」

って、

プロポーズかよ!

思わずツッコんでしまいました。

面白い押し問答が見られました。

結局、専務はちゃんと支えてダーマは倒立してました。 

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