へっぽこ刑事

凄惨な殺人現場。

たちこめる死臭。

血溜まりに佇む遺体。

それを目の当たりにした新人刑事が思わず口元を押さえてその場を走り去り、

物陰で嘔吐する。

そうして先輩の刑事に呆れられるシーン。

よくドラマで見たことがあります。

先輩の方は平気なようです。

過去に何度かその現場に居合わせたことで、慣れたのでしょう。

もちろんその先輩も、過去にはその新人刑事と同じようにゲロ吐いていたのかもしれません。

先輩が呆れるのは、ゲロゲロ吐いていても仕事にならないからです。

ガイシャを観察して凶器は何なのか、死因は何なのかを知る必要があります。(本来は検死官の仕事でしょうね)

そのためにも残酷な現場で仕事をしなければならないはずです。

強い心を以て仕事に臨んでいるんです。

……

僕はかつての記事で、何事にも動じない心、つまり不動心を手に入れるのが悲しいと述べましたが、

不動心はやはり必要だと思いました。

人、というか生物の生死に関わる仕事に携わる方々はみんな持ち合わせているものだと思います。

それは間違いなく精神的に辛い仕事で、

そのような仕事に就いている人たちに感謝の気持ちを、そして尊敬の念を持たなくてはならないと思いました。

外科医の腕が、指先が、そして不動心が、失われようとしている尊い命を救っている。

……

不動心が求められるのは臨床の場だけではない。

僕たちが日頃食べている肉だって、食肉センターとかで屠殺というプロセスを経て食卓へ辿り着いている。

その動物を殺して肉片にする工程を日々行う人の不動心のおかげで僕は肉を食べることができるんだ。

動物を殺すことは辛いと思う。

今もスーパーなどにトレーに入った肉が売られているのは、

そんな辛い気持ちを抑えて、感情を無にして肉を加工する仕事をしている人がいるからだ。

今の僕の食に対する姿勢、それは

食材への感謝もなければ、あたかもどこからでも湧いてくるように無価値なものとして食材を消費している。

あまりにも幼稚で、未熟で、低俗なものだったんだ。

家畜理論、なんて恥ずかしい考えだったんだ。

今すぐにそんな考えを捨て去ろう。

……

僕はこうしてブログを書いているわけですが、やはり自分の考えを文字に起こすことで、頭の中を整理できていってる気がします。

それが嬉しいです。

僕は文才がなく、読みづらい文章がこれからもたくさん投稿されていくことと思います。

それでも日々この拙稿を読んでくださるみなさん、ありがとうございます。

日々、感謝の気持ちを忘れない。これが大事。

食べ物そして生産者への感謝を込めて今日も

いただきます。

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