変わっていくこと

新型コロナウイルスの蔓延が、人と人との繋がりを断ち切った。

僕は、コロナ禍になる前からアルコール消毒液を持ち歩いたり、エレベーターのボタン押すのが嫌で階段使ったりするくらいには潔癖症だった。

加えて、人間関係を嫌い1人でいることを好んでいた僕(当時18歳)にとっては、コロナ禍なんて屁でもなかった。

むしろオンライン授業になってラッキーくらいに思っていた。

こうして僕は閉鎖的な大学生活を送ることとなった。

……

外出時は必ずマスクをつけた。

手洗いうがいは欠かさない。

部屋に帰ったら電気もつけずに、何も触らずに洗面所に直行するほどの徹底ぶりだ。

その結果、大学4年間でコロナにもインフルエンザにも罹りませんでした。

4回生の時に遊び疲れて夏バテ起こしたくらいです。

……

なぜそこまで神経質になるかというとね、しんどいのが嫌いなんですよ。

咳とか鼻水とかつらいんですよ。

健康でありたい。快適でありたい。

……

でも生きている以上、人との関わりは避けられない。

入社後の新人研修。

集団生活だ。人と距離を置いてはいられない。

みな一様に咳をする、くしゃみをする。

僕の近くで何度もする。

最初は眉をひそめながらも我慢したけど、段々もういいやって諦めた。

同期の連中はみんないいやつだ。
そして咳やくしゃみは生理現象だ。

だったら、咳やくしゃみに目をつぶってでも、いいやつと仲良くした方がいいと思った。そう割り切った。

隣で咳をされようが、鼻かんだ後の手で触れられようが気にしないようにした。

案の定、風邪をひいた。何年ぶりかの風邪だ。
咳が出るのも鼻をかむのも久々の感覚だ。
しんどい。

でもいい。

あの場で潔癖症を存分に発揮してみんなから距離を取っていれば、こんなに楽しい新人研修にもならなかったし、最高の友達にも出会えなかったのだから。

集団生活はたしかに僕を変えた。
おそらくいい方向へと。

(もちろん体調管理は今まで通りするよ。手洗いうがいを欠かさないよう。)

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