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中学受験 国語対策に読んでおきたいおすすめの本!〈小説中級編〉

■中学受験 国語対策に読んでおきたいおすすめの本〈小説中級編〉について

本を読むことにだいぶ慣れていて、おもしろい本をどんどん読んでいきたい!という意欲ある小学生向きの本を紹介します。
ここにあげた本全て、実際の中学受験の国語の入試問題に出題されたものばかりです。これからもまだ出題可能性はあると思いますが、それ以上に、本当に読んで楽しい、読んで良かったと思える本です。

中学受験は、算数・国語・社会・理科とやらなければならないことが多くて、なかなか本を読む時間がないと思いますが、本の世界に入るのが息抜きになる子もいます。そういう生徒さんに、ぜひ読んでもらいたい本です。

また、時間がないからこそ、手に取る本はいい作品を選んでほしいです。少し読解力がついてきた生徒さんは、少しでも良書を手にとって、そばに置いて、読書量を増やしていってもらいたいです。夏休みの読書感想文で何か読まなければならないときなど、読書するならこれらの本をぜひ手にとってみてください。

このくらいの本が楽しめてスラスラ読めれば、中学受験の国語の入試問題の長い文も辛くなく読めるようになるでしょう。

※個々の作品の記事ページの方で詳細は書いています。ここでは、特に、おすすめの読んでもらいたい本をあげていきます。

■中学受験 国語対策に読んでおきたいおすすめ小説〈中級編〉7選

●『あと少し、もう少し』(著者:瀬尾まいこ)

中学駅伝大会に出場する6人の男子中学生を描いたお話です。
陸上部部長の桝井を中2まで育ててくれた陸上部顧問も他校へ異動となってしまい、代わりにきた先生は陸上を全く知らない女の先生でした。陸上部から駅伝に参加するメンバーは3人だけ。残りの3人を桝井がじっくり声をかけて集めます。そして、6人で大会に出場するまで、読んでいるうちに自分も出場するような気分で、熱くなってしまいます。夢中で最後まで読んでしまう1冊です。
男の子はぜひ、女の子にもたくさんの小中学生に読んでもらいたいです。

●『よろこびの歌』(著者:宮下奈都)

女子高校生たちが、それぞれの悩みや挫折を抱えながら、お互いに影響を与えあい、クラスで1曲の歌を作り上げていくお話です。
主人公は、有名バイオリニストの娘。ですが、音楽を学べる高校に合格できず、普通の女子高に入学します。この普通の女子高で出会った仲間たちが様々な思いを抱えながら、歌を歌い上げることで、クラス一体となっていきます。
高校生なので小学生からするとちょっと遠い存在ですが、明るく楽しい作品なので、高校になったらこんなふうになるのかなと想像したり、こんなふうに悩むのかなと思いながら、読めるでしょう。女の子におすすめです。

●『朔と新』(著者:いとうみく)

高校1年の弟新3つ年上の事故で失明した兄朔がブラインドマラソンに挑む物語です。兄弟だけでなく、親と子、彼女などとの心の葛藤が描かれ、それでも前を向いて進んでいく、読んで良かったと心から思える作品です。
複雑な心情が描かれているので、決して簡単ではありませんが、読書力がついてきた生徒さんにはぜひ読んでもらいたい素敵な作品です。

●『一人っ子同盟』(著者:重松清)

小学6年生の男の子が主人公で、同じ団地の女の子も出てきます。小学生が登場人物な割には、少し難しめで、あまり明るくて楽しいというお話ではなく、切なくあきらめを感じさせる部分もあります。でも、こういうじんわりしんみり心に沁みる作品も読んでもらいたいです。
男の子が優しくて、女の子が強いです。この2人のコンビがなかなか最強で、ちょっと厄介な年下の男の子も出てきて、事件を対処していくので、共感もできるでしょう。

●『君たちは今が世界』(著者:朝比奈あすか)

小学校6年生の子どもたちが主人公で、各章ごとに主人公が変わります。男の子も女の子も家庭や環境に問題を抱えていて、学校ではカースト的な世界があり、意地悪な言動、見栄やウソに満ちています。決して明るく楽しい物語ではありません。ですが、小学生ならでは共感することができる部分も多いでしょう。色々な心情が織り混ざったこの世界を感じることができれば、読解力も上がることでしょう。

●『屋上のウインドノーツ』(著者:額賀澪)

高校の吹奏楽部で、東日本大会を目指していく、吹奏楽の音色が聞こえてくるような小説です。ですが、主人公の女の子志音には、幼い頃からの友達との関係や、部長の大志も中学での痛い経験などがあり、それら悩みや挫折を乗り越えて挑んでいきます。
高校の部活は、コンクールに出場したり、中学よりもより本格的になってくるので、小学生にはまだちょっと遠い世界かもしれません。時間軸や話し手が変わったりしますが、全体にテンポよく楽しく読んでいけるでしょう。

●『ブロードキャスト』(著者:湊かなえ)について

中学で陸上をやっていた圭祐は陸上をやりたくて高校に入ったのに事故に遭い、誘われるまま放送部に入り、全国大会を目指していく小説です。
陸上との葛藤や、放送部内での先輩との関係、圭祐に放送部を勧めた正也の書く脚本、いろんなドキドキやワクワクがあり、ボリュームあるのですが、続きが気になってしまう作品です。ただ、やはり高校の部活の詳細は小学生に難しいことも少なくないでしょう。

この中級編は、ある程度読書力のある生徒さんを対象にした本を紹介しましたが、これは難しすぎると感じる生徒さんには、初級編の方をぜひ参考になさってみてください。

また、時間がないので、短編で少しだけ読んでみたいという生徒さんには、こちらのおすすめの短編小説をご覧になってみてください。

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