アンコンシャス・バイアスについて

先日、あるがんサバイバーさんの書かれた書籍で「アンコンシャス・バイアス」について書いてありました。
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、アンコンシャス・バイアスとは、「無意識の偏ったモノの見かた」のことです。
 この言葉自体は、聞きなじみがないかもしれませんが、日本語にすると、イメージが沸きますよね。
確かに、ガンになると、ガンになったから
・あまり無理な仕事(作業)はさせられない
・なんかちょっと気を遣うな
・体調の事は聞かないほうがあの人のためだろう
などなど、ガンになる前の接し方と大きく変わるケースがあります。私としては、とても気遣ってくれて、優しさを感じる反面、「同情されている、先(未来)を見てもらえていないのかな」と感じることもあったりしました。
 ただこれ、私が思うにガンに限った事ではないと思います。
例えば、私には自閉症の愛息がいるのですが、自閉症に限らず、一括りにされがちな「発達障害」の方たちに対しても、往々にこの「無意識の思い込み、無意識のバイアス」があると思うのです。そして残念なことに、このアンコンシャス・バイアスは、個人だけではなく、社会全体についてもそうなっているのではないかと思います。
・がんサバイバーさんでも職場で差別(意識)せず働ける環境を
・発達障害の方たちにも平等に働く(学校に通う)機会を
と、ニュースなどで見ることはありますが、実際にはそうなっていないのかなと。例えば、大きな会社や小中学校までは、そういった枠を確保してくださり、積極的に実施されているように感じますが、社会全体や高校以降で言えばまだまだ違う。少なくとも、私が知り得る限りでは、そう感じます。
 確かに、私のような「現役のがん患者」にとっては、体調がどうなるか?10年、20年先も元気にいられるか?は、未確定です。突然悪化することは稀ですが、進行度によっては体調を崩す場合もあります。ただ、それは健常な方も条件は同じ。例えば、不慮の事故や天災などは予想できません。「明日、私は100%生きています」と断言できる人は、いないのです。
 人は今まで生きてきた経験から、主観で見てしまうケースが多いそうです。その行動自体が間違っているとは思いません。が、「一般的や普通という言葉ほど、定義があいまいな言葉はない」と、私は思います。
 これも私の主観ですが、日本は先進国とは言え、社会的弱者(という言葉も好きではありませんが)に対する対応は大きく、とても大きく出遅れていると思います。そんなとき、ふと自分の周りを見て、「私ができることは何かな?目の前にいる人を喜ばせるには、どうしたら良いかな?」と考えて、考動(考えて動く)できたら、社会はもっと楽しく笑顔が増えるのかなって思います。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?