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辞書の生き物             #7 ナマケモノ

ナマケモノ

 木にぶら下がってゆっくり動く動物の名前ですが、かわいそうな命名です。英語での名前はSlothですが、同じくナマケモノの意味になっています。実際に動きは緩慢で週に1回程度地上に降りて排泄する以外は樹上で過ごし、葉っぱや自分の毛に生えたコケを1日10g程度食べ、極力動かずに代謝を抑えている省エネ動物です。無駄なエネルギーを使わず、食物も浪費しない点ではSDGsを先取りした見習うべき生き物です。

頸椎の数

 哺乳類はその特徴として首の骨(頸椎)を7個持っています。人もゾウも首の長いキリンでさえ7個なのですが、ミツユビナマケモノは9個も頸椎を持っています。そのため、首を270度近く回転させ周囲の葉を食べることができます。これも省エネのための進化なのでしょう。

残念な命名

 ナマケモノの他にも、その外見や生態からかわいそうな名前が付けられた生き物がいます。ドタドタと歩き簡単に人に捕まってしまう「アホウドリ」、見た目から命名された「ハゲワシ」や「ハダカデバネズミ:毛が無く出っ歯なネズミです」など、彼らが聞いたら怒るでしょうね。

実はできる子

 普段動きが遅いナマケモノですが、生息地域のアマゾン川が氾濫した際に逃げられるよう泳ぎは得意です。そういう意味では、「ナマケモノ」ではなく「ホンキダシテナイダケ」、「ヤレバデキルコ」、「ツメカクシ」などの名前でもよいかもです。

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