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辞書の生き物             #10 瓢箪から駒:ひょうたんからこま

ひょうたんからこま

 冗談が本当になること、または、とんでもないこと、信じられないことが起きる意味で使われます。ここでの「駒」は将棋の駒ではなく「馬」のことです。
 昔、中国の仙人「張果老」が白いロバに乗って各地を放浪していました。旅の途中で休憩する際に、術を使って相棒のロバを小さな瓢箪の中に入れ、旅を再開する時には逆に瓢箪からロバ出したのを見た人たちがびっくりしたことが語源とされています。この話が日本に伝わった際に、あまりなじみがなかったロバではなく馬に変わったのでしょう。

棚から牡丹餅、僥倖

 「瓢箪から駒が出る」とも言われ、予想ができない思いがけないこと「全般」が起きる場合に使われます。これに対して、棚から牡丹餅(たなからぼたもち)や、将棋の藤井聡太棋士が29連勝した際のインタビューで使った「僥倖:ぎょうこう」という言葉は、思いがけない「幸運」の意味になりますので、使い分けが必要です。

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