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省エネ基準の計算は難しい?

外皮平均熱貫流率(UA値)平均日射熱取得率(ηA値)のところでも説明しましたが、これらの計算は面倒で時間がかかります。

そのため、従来計算はあまり行われてきませんでした。
一般的には省エネ住宅に対する補助金、減税、優遇制度を利用するときに計算するくらいだったと思います。
(もちろん省エネ住宅に積極的に取り組んでいる工務店などでは全棟計算しているところもあります)

省エネルギー基準(省エネ基準)の説明義務制度が始まりますと、基本的にすべての住宅は省エネ基準計算を行わなくてはなりません。(一部例外があります)

そうしますと、建築士の負担が大きくなり、少人数の工務店などでは対応は大変そうです。

計算にかかる時間

外皮平均熱貫流率、平均日射熱取得率の計算にかかる時間はかなり個人差があり一概には言えないのですが、書類作成まで含めますとおおよそ半日~1日くらいはかかるでしょうか。
(慣れている方だとソフトやExcelなどを使用して1~3時間くらいかもしれません)
始めて計算される方や、たまにしか計算されない方は、まず計算方法を調べるところから始まりますのでこれ以上時間がかかると予想されます。

平均日射熱取得率は冷房期(ηAC値)暖房期(ηAH値)の両方を計算する必要があり、同様の計算を係数を変えて2回行わなければなりません。
また、一度の計算で基準をクリアすれば問題ありませんが、基準をクリアしない場合はどのようにして基準をクリアするかを検討し、基準をクリアするまで何回か計算が必用になりますので、更に時間がかかります。

なお、計算に時間がかかるのは外皮平均熱貫流率、平均日射熱取得率の計算ですが、これ以外に一次エネルギー消費量の計算も必用になります。

評価方法

省エネ基準では計算の負担を軽くするための方法がいくつか用意されています。
評価する方法には以下のものがあります。
・標準計算
・簡易計算
・モデル住宅法
・仕様基準

標準計算が本来の計算方法ですが難しく計算に時間がかかります。
簡易計算、モデル住宅法は、一部の計算を省くことで計算を簡略化します。
ただし、計算が簡単になるほど安全側で計算されます。
安全側で計算されるということは、本来の性能よりも低く評価されることになり、基準もクリアしづらくなります。
そのため、できるだけ標準計算で計算することをお勧めします。

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