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これいいね! 04_あなたは何犬?

どうやら、世の中AIブームのようです。

これまでの歴史から、今回のブームは、第3次ブームなんだそうです。

テレビを見ても、ネットを見ても、どこを見てもAIだらけ。

「人工知能が碁のチャンピオンに勝った! 10年前倒しの技術革新か?」だったり、

「人工知能が病名を言い当て、治療方針まで指南した!」だったり、

それはそれで、事実として受け止めなければならないことは間違いないとしても、

その実、技術的に、何か突拍子もないものが発明された訳ではなく、

今回のブームを牽引しているのは、「それを実現するだけのハードウェアのパワーが十分備わってきたから」というのが主要因の一つらしい。

考え方は従来からある考え方。

だからと言って、「では、すぐにできるのか?」と言えば、事はそんなに簡単ではありません。

そんな中、例に漏れず、うちの会社でも、

「昨今のAIブームについて、まだ、商品・サービス展開にまで至らないまでも、最低限、その動向については押さえておく必要はありますな。」

ということに当然なります。

で、それを担当するのは、当たり前であるが如くうちの部署。企画部門ですから。

会社の中見渡しても、どこもかしこも忙しい、という状態とあれば、基礎研究レベルのものまで、「じゃああそこで。」となる。

しかも、自分は、ソフトウェア開発部門出身なので、お鉢は回ってきます。

ま、嫌いじゃないですけどね。

しかし、このような得体の知れないものの調査担当となった以上、

きっちりとした理解、そして、丁寧な説明、そういうことに気をつけないと、それこそ、インターネット黎明期によくあった

「インターネット買ってきて!」

というような、ウソのような指示が来ないとも限らない。

慎重に事にあたらないといけません。。

そんなこんなで、調査を始めます。

まったくもって何もわからないところからの調査ですから、参考になりそうなものはすべて読み漁ります。

いや、どんな情報が参考になりそうか、その、あたりの付け方すらわからないので、とにかく漁ります。

しかし、自分の頭の中に情報を入れていけばいくほど、

「ディープラーニングという手法による機械学習」

という情報に頻繁にたどり着くことに気づきます。

そして、日本における人工知能の権威である、東京大学の松尾豊先生の文献にも、何度もたどり着きます。

先生曰く、

認知 → 運動の習熟 → 言語の意味理解

という順に進化する様相を呈しているというのが今回の第3次AIブームのざっくりとした構図だと。

大量の画像を利用し、その特徴を機械に自動的に抽出させ、それが何なのか?を学習させる。

人間の脳の仕組みを模倣したニューラルネットワークというモデルを基礎にしたディープラーニングという手法が、特徴量の自動抽出に寄与していて、

その膨大な演算処理を強力なマシンパワーでこなしていく。

その結果、「これは何?」という問に、「これは○○です。」と回答することが可能になる。という仕組み。

(正確には、「これは、これらと同じグループのものです。」という回答ができることと、人間が、「これらのグループは○○と言います」と言語として教えてあげることの組み合わせなんですけどね。機械は言葉の概念を持っていないから。)

つまり、機械が、自らが、自動的に学習し、その結果、物体の認知をすることが可能になってきた。という状況らしい。

いやいや。難しい。

さてさて、すっかり前置きが長くなりました。

こんな感じで調査を進める訳ですが、そんな中、うちの部署、定期的に部内勉強会というものがありまして、

今回は、このAIをテーマにして、私が講師をつとめることになりました。

しかし、ですよ。

エンジニア系が何人か居る中で、これまでの歴史を語ったところで、「で?何ができるの?」となるし、

セールス系が何人か居る中で、技術的な話しをしたところで、「で?何ができるの?」となる。

だからと言って、実例をまじえて話しをするにしても、定番の「手書きの数字の認識率がどれだけ上がってきたか?」なんて話しも正直退屈。

何か、見る人が楽しめて、かつ、画像認識の精度の高さや限界について、少しでもイメージをつかんでもらえそうな実例はないかな、と探していると、、、

ありました。

画像認識の精度では世界トップクラスの技術力を誇ると言われているマイクロソフト。

そのマイクロソフトのサイトである「What-Dog.net

これは、犬の写真から、その犬種を言い当てるというもの。

既に十分に機械学習してありますので、だいたいの犬は、言い当てますよ。というもの。

サンプルとして用意されている写真だけでなく、自分の手持ちの写真でも確かめることができます。

早速、ネットから画像を借りてきて実験。

こんな、極普通のお犬様は大丈夫でしょう。

(ウィキペディアの「柴犬」のページより引用)

もちろん大丈夫でした。そうなんだ。柴犬は日本の犬なんだな。

それでは、、、ということで、Gigazineから写真をお借りします。

(以下2枚とも、Gigazineのページ「これがイヌ?これが写真?と一瞬目を疑うような驚異の美犬写真」より引用)

なんじゃこの犬。「ビション・フリーゼ」という犬種だそうです。笑える・・・

教えて!マイクロソフト!おおっ!正解!

へぇー。すごいね。

だったらこれはどうだ!もう1枚お借りします。

「コモンドール」という犬種。自然にドレッドヘアーになるんだとか。

教えて!あぁ、、、駄目だ。残念。

ここまでは学習できてなかったみたい。

しかし、ここまで精度を高めることができているので、仕組みとしては十分なんだと思います。

単に、この手の写真を学習してこなかっただけでしょう。

さてさて。

こんなことができるとわかったら、人間の顔を突っ込んでみたくなるのが人情。

ということで、やってみました。もちろん、自分の写真で。

誰がゴールデンレトリバーやねん。

目尻が重く、顎がたるんでるだけじゃないのか?

機械にディスられたような気分。。。(笑)


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