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1_11_”掛布の三振”に学ぶ。

このnoteは、投げ銭スタイルで投稿しております。
最後までお読みいただけると嬉しいです。

何か上手くいったことがあったとき、その結果だけを見れば、そこには、「良」しか存在しません。逆に、何か上手くいかなかったことがあったとき、その結果だけを見るれば、そこには、「否」しか存在しません。
しかし、結果だけですべてを判断することなど、できるのでしょうか。。。
もし、あなたが、結果に至るまでの”プロセス”に向ける目が不足しがちであるならば、もう少し、「なぜそういう結果に至ったのか?」とか、「もしも、違ったやり方をしたならば、また、違った結果に至ったのだろうか?」とか、考えてあげてもいいのではないかと思います。なぜならば、、、

ぶっちゃけ!
「結果には、必ず原因があるからです!だから、結果の良し悪しには、必ずプロセスの良し悪しが関係するからです!たまたま良かった結果も、それをもたらしたはずの良かった原因があるはずですが、それを、偶然の産物と言い続けていると、良い結果を生み出しにくくなってしまうからです!。」

みなさんは、掛布雅之氏をご存じでしょうか。若い方には馴染みがないかも知れません。
1970年台後半から1980年台を中心に阪神タイガースで活躍された、元プロ野球の選手です。

今となっては、それをテレビで見たのか、ラジオで聞いたのか、雑誌や新聞で見たのか、どこから情報を得たのかは定かではありませんが、私の記憶の片隅に、掛布氏にまつわるこんなエピソードがあります。
掛布氏は、三振に倒れても笑みを浮かべてベンチに戻ってくることがあると思えば、ホームランを打っても冴えない表情でベンチに戻ってくることがある。投手から投げられる球種のよみ、ボールを捉えるタイミング、テイクバックからフォロースルーまでのスイングなど、すべてが自分のイメージどおりなら、たとえ結果が芳しくなくても納得し、逆に、少しでも自分のイメージどおりにいかないものがあった場合は、たとえ結果が最良のものであったとしても決して納得することはなかった。

なぜ、掛布氏がこういう態度をとってしまうのか?
それは、掛布氏が誰よりも”プロセス”というものの大切さを知っていたからだと思います。

プロ野球の打撃の世界では、3割打てば優秀な打者だとされます。つまり、10回のうち3回結果を残せば優秀。逆に言えば、優秀な選手であっても、10回のうち7回も失敗してしまうということです。乱暴に言ってしまえば、大半が失敗の世界です。ですから、そう簡単に結果を出すことはできないということは誰もが知っています。そして、結果というものは、あくまでも後からついてくるものであり、そもそもコントロールなどできるものではないと考えている選手も多いと思います。だからこそ、掛布氏は、結果を出すためには、その結果に至るまでの数あるステップのすべてを洗練させ、いかに優れたものにするか、ということが重要な鍵となることをよく知っていたのではないかと思います。あくまでも推測ですが。

大局的にみると、プロセスと結果には”必ずと言って良いほど”密接な関係があります。本来、良い結果は良いプロセスからしか得られません。準備・実施・事後といったすべてのステップに対して、しっかりした手順があってこそ良い結果が得られるのです。

しかし、物事はそんなに簡単なものではないから厄介なのです。

プロセスには問題がなかったのに、たまたま何らかの要因が大きく作用したために、良い結果が得られなかったり、逆に、プロセスにいくつかの問題があり、決して良い結果が得られるような状態ではないのに、思いがけず良い結果が得られたり、というようなことがちょいちょい起こってしまう。だから、勘違いしてしまったり、迷ってしまったり、悩んでしまったり・・・
プロセスと結果の間にいくら密接な関係があるからと言っても、”必ずそうなる”と言い切ることができません。だから、先ほども、”必ずと言って良いほど”という表現に留めたのです。

ならば、そんな不確実なものに対して、一生懸命になることが馬鹿らしいのでしょうか?
もちろん、私はそうは思いません。
なぜなら、私たちビジネスマンの世界も、よくわからない不確実なことだらけだからです。不確実であればあるほど確実性を高めるための努力が必要なのに、それを放棄するということは、”単純な仕事以外やるつもりありません。”と言っているのと同じであり、”自分がやっているのは、自分以外の誰がやっても同じ結果が得られる、交代可能な仕事に過ぎません。”と言っているのと同じです。これでは、あなたが仕事をする意味がなくなってしまいます。

掛布氏も、”プロセスが良くないのに結果が出たのは偶然”と考え、また”プロセスが良いのに結果が出なくても「自分を信じて確実性を高める努力を続けていればきっと大丈夫。」”と考えることで、自分の心を強くして頑張ったのだと思います。

不確実なものであっても、いや、不確実なものであるからこそ不断の努力が必要であることをお勧めするのは、それは、ブレない自分を作るために役立つと考えているからです。

不確実であればあるほど、「頑張ったところで、本当に結果が出るのだろうか?」とか、「いつまで頑張れば良いのだろうか?」とか、「努力の仕方というか、やっていることに誤りはないのだろうか?」など、不安や恐怖といった感情を抱いてしまいます。このような気持ちが強すぎると、「そもそも、何のためにこんなに頑張ってるのよ。」と、弱音しかでてこなくなることもあるかもしれません。

一度、このような状況に陥ってしまうと、”結果が出ないのはプロセスに問題があるからだ”と言って、ろくに振り返りもせず、次々にやり方を変えてしまったりします。一つ一つ検証しながら、何をどのように変化させるべきかをじっくり検討する必要があるにもかかわらず、焦ってしまい、かえって良くない結果を招いてしまうことも多々あります。
こうなってしまったら、修復は大変です。何も問題のないところまでいじってしまっている可能性があるので、再度、じっくり見直そうとすると、元の位置まで一旦戻る必要がでてきます。
まずは、すべてのプロセスに対して、自分の理想とするものがどういうものかを知り、それとの乖離を図ることで一つ一つ集中的に修復を図る。そのためには、まず、理想はこう、修復の方法はこう、と確固たる自分、ブレない自分が必要になります。

どれだけ経験を積んだベテランでも、いや、むしろベテランになればなるほど、基本に忠実になろうとするというか、原点に立ち戻ろうとすることが多いように思います。
これは、「そもそも何のためにこれをやっているのか?」と目的を再確認し、「目的を達成するために必要なプロセスはこれだ。」とプロセスに分解し、「プロセス一つ一つを洗練させるためには、一つ一つのプロセスについて、試行錯誤を重ねることで解が見えてくる。」という姿勢で努力するという、一連の”逆算アプローチ”を忘れないようにするためだと思います。

調子の悪いときほど冷静になって状況分析し、対処方法を検討するために、そうしたブレない自分を作るために、掛布氏のバッティングに対する姿勢から見習うべきことがたくさんあるのではないでしょうか。

Twitterやってます。
https://twitter.com/admin_butchake

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