企画のき

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建設業向けソフトウェアを開発・販売する会社に就職してそろそろ20年になります。
ソフトウェアで利用するデータを作成する部門で2年。ソフトウェアを開発する部門で9年。その後、部長を補佐しつつ部門運営の業務に従事して2年。ここまで13年。事業企画、商品企画の仕事に携わるようになったのは、この後からなので、企画系のキャリアは7年目になります。
「キャリア7年目」と言うと、もう、かなりの実力者のように見えてしまいますが、そんなことは全然なくて、最近になってようやく「企画するために必要な考え方とは何か?」とか、「企画するために必要なスキルとは何か?」ということがわかり始めたところです。しかも、「わかり始めた」と言っても、すべてにおいて「自分なりに」という枕詞が付いてしまうくらいです。ずっと我流でやってきましたので、そうならざるを得ませんでした。

7年も従事しているにもかかわらず、この程度のレベルであることは、本当に恥ずかしいことであることは十分承知です。しかし、少しだけ言い訳をさせていただくとするならば、やはり「企画の仕事進めていくには、あまりにも環境が厳しかった。」という事情があったことは否めません。

私が勤めるのは、ソフトハウスから始まった、いわゆるベンチャー企業と言われた創業30年程度の比較的新しい会社ですが、これまでの間に株式上場も果たし、従業員数も200名を越え、地方に本社がある中小企業としては比較的大きい規模になってきました。したがって、もはやベンチャー企業とは呼べず、新しい企業であるとも言えなくなってきました。
創業当初から10年くらいまでの間は、平均年齢も低く、全てのことが未知で、イケイケドンドンでやってきた感がありますが、もう30年にもなると、やはり、世間で言う極普通の会社に近い存在になってきているのだろうと思います。
開発して、営業して、電話サポートをする。そのために組織を最適化し、最大効率を図ることが至上命題となる。これは当然なのですが、そこで手一杯になってしまうと、中長期的な展望を描くことなど、できなくなってしまいます。
それではいけないだろうということで、将来的な事業や商品を生み出すための部門が発足しました。いわゆる企画部門です。そして、私は、発足当初からこの部門で仕事をしています。
既に部門があり、仕事の内容もこなれていて、そこに異動になるということであれば、それほど苦労はしなかったのかもしれません。そこで仕事ができるようになりさえすれば良いのですから、私だけの問題で済みます。
しかし、これまで無かった部門を一から立ち上げながら、これまで一切持っていないスキルを習得しながら、そして、この部門で結果を出すとはどういうことかを考えながら、成功基準もよくわからない中で、多岐に渡って作り上げていくということは、本当に大変なことでした。だから、思いの外時間がかかってしまったと考えています。

このような厳しい環境からスタートした部門も紆余曲折を経て、今ではビジョンもミッションも、それに基づいて運営されるプロジェクトも、すべてにおいて、しっかりとオペレーションできるようなところまで来ました。まだまだ、大きな事業はもちろん、小さな商品ですら十分な収益を上げるまでに至っていませんが、それでも、「企画をするということはどういうことなのか?」ということが、自分なりにイメージできるようになってきました。そして、そのイメージを言語化し体系的にまとめることができるのではないか?とも思えるようになってきましたので、このあたりで、一度、中間的な総括の意味も込めて、noteにまとめていこうと思いました。

noteに記事を投稿するようになって、そして、同時にTwitterアカウントを作ってツイートするようになって一ヶ月くらいになりますが、SNS(と、ひとまとめにできないことも認識しております)の世界はフリーランサーだらけで、フリーランスでない人は人間とは認められていないのではないか?と錯覚してしまうくらいの感覚に陥っています。
ですので、このnoteへの記事の投稿が、ほとんどの方にとって役に立たないかもしれませんし、組織に所属しながら企画の仕事に携わる、まさに私と同じような境遇の方でさえ、企業が違えばそのやり方も変わってくることでしょうから、これまた役に立たないかもしれません。
そのような意味で、これまで、自分が得た知識をnoteにまとめたところで、広く役に立つような情報ではなく、やはり「自分にとっては」という域を出ないかもしれませんが、この投稿が、同じように企画マンとして仕事をする誰かに対して、少しでもお役に立てればいいのにな、そうすれば、これまで自分が苦労してきたことが少しでも報われるのにな、という思いで一杯です。

あくまでも「自分にとって」という領域を出ない可能性はありますが、それでも、事業企画、商品企画を仕事にしている人にとって、「こういうことは、極当たり前のこととして認識しておく必要があるよね。」とか、「こういうことを知らないままきたので、体系的に理解することができて良かった。」と思ってもらえるような、そんな内容をまとめていこうと思います。
つまり、もっと平たく言えば、「企画のきの字も知らんのか!」と言われないようにするために、必要最低限のことをしっかりと押さえておきましょう、ということであり、そのサポートができればいいな、ということでございます。

これから、一つ一つ、着実に、「企画のき」について、お話しをしていきたいと思いますので、お付き合いいただければと思います。自分と同じ立場に居る方にとって、少しでもお役に立てることを望んで止みません。

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