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夜明けのすべてを読んだら、少しだけ変化があった

瀬尾まいこさんの夜明けのすべてを読みました。

わたし自身、自分を否定することが多かったけれど、この本を読んだことで、少しだけ自分を肯定できるようになった。

そんなことを書いています。

最後まで読んでいただけると嬉しいです。

読んだきっかけ

わたしは月に数回、落ち込む。

ただ落ち込むのではなくて、落ち込み切らないと立ち立ち直れない。それに、ありもしないことを、現実に起こってしまうんじゃないかと不安でたまらなくなる。

そんなときは、パートナーであるいちごくんに手を取ってもらい、少しずつ立ち上がらせてもらう。

そんな落ち込み期間が、今月はとても長かった。

わたしが落ち込めば落ち込むほど、いちごくんに迷惑が掛かるという、申し訳なさも重なってまた落ち込んだ。そんな繰り返しの毎日だった。

いちごくんの力もあって、落ち込みから回復している中、いちごくんの本棚にこの「夜明けのすべて」があることに気が付いた。

それはそれは可愛い装丁だった。

PMS(月経前症候群)を患っている藤沢さんと、パニック障害を患っている山添君。
別々の道を歩んでいた二人が、同じ会社で出会って、変化していく。一人では決して強いとは言えない。でも相手のことなら、救えるかもしれない、そんな優しさと柔らかな強さを兼ね備えた物語。

読んだ感想

この本を読んで、わたしは大きく二つの感想を抱いた。

共感と安心感

まず、夜明けのすべてを読み始めて10ページほどで、わたしは涙が止まらなくなった。
泣いてるわたしを見て、いちごくんは目をまんまるくして驚いていたし、この本を読まれた方は分かると思うけれど、泣けるシーンなんてどこにもない。
どうしてわたしは涙がこぼれたのか。

それは大きな共感からの安心感だった。

初めのシーンは、PMS(月経前症候群)を患っている藤沢さん目線の話で、感情が抑えられなくなる気持ちの揺れや、周りを気にしすぎてしまう、細かな描写がびっしりと描かれている。
そこが全身が痛くなるほど、共感できた。

わたしだけじゃないんだ、実際にあの言葉にできない感情を言葉にして表せることってできるんだ。
嬉しくて涙が出るほど、安心感があった。

実際にわたし自身、PMS(月経前症候群)だと診断されたことはないけれど、感情が抑えられなくなるという気持ちの揺れはとっても似ていたし、読んで初めて、自分の心の変化に気が付いた瞬間だった。

味方でいてくれる

最後まで読み終えた後に、なんて優しさに包まれた本なんだろうかと心を打たれた。

逆に言うと、刺激を求めている方にとっては物足りないかもしれない。時たま、刺激が欲しくなる時もあるけれど今はこのくらい優しい本を欲していた。角のない、海のような広い優しさ。

「こうしたら相手はこう思うかな」「こうしたら嫌われてしまうかな」
そんなことを毎日のように考えているわたしは息苦しかった。
でも、それって“誰かに喜んでもらいたいだけなんだ”とこの本は優しく教えてくれた。
わたしの中で取っ払いたい、見栄や虚栄心や弱さを、この本は否定をしなかった。
それだけではない、わたしがわたしらしくいられる場所があることを教えてくれた。
そんな夜明けのすべては、わたしにとって強い味方だと思った。

そういえば今朝、時間があったので昨日仕込んでおいたフレンチトーストを焼いた。

焼いた後、まだいちごくんは寝ていた。もう少し後に焼けば良かったかな、いちごくんが起きてから焼けば良かったかな、美味しくできなかったかも、そんなことをしばらく思ってしまった。

まさに、夜明けのすべての主人公、藤沢さんと同じだ。

いままでは、こんな風にちょっとした場面で、色んなことを考えてしまう自分が嫌で仕方が無かったけれど、夜明けのすべてを読んでそんな自分がちょっとだけ受け入れられるようになった。

沢山考えてしまうけれど、わたしはただ、いちごくんの喜んでいる顔が見たいんだなと思った。

そうしたら、もっともっと、喜んでもらいたいと思った。


いちごくんには、本当にたくさん支えてもらっている。わたしは同じくらい支える力があるかどうか分からない。でも、きっと今以上に喜んでもらうことはできるんじゃないかな。

この本を読んで少しだけ自分を肯定できるようになった。


まだまだいちごくんの本棚を漁っちゃおう!笑



最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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