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M1グランプリ2020 準決勝進出者 予想

●大混戦の準々決勝
さて、前回M1グランプリ2020のファイナリストを予想した筆者だが、2回戦の動画もすべて公開され、まさしく準々決勝が行われている最中で、準決勝に進出する漫才師を予想してみた。前回決勝予想をした10組は今のところまだ準々決勝に残っており、決勝の予想は変えるつもりはない。つまり前回の10組プラスで何組か追加で選ばせてもらい準決勝メンバーを予想してみようと思う。もちろん予選には時の運もあり、再三言っているとおりその時々の環境でウケ方も全然変わるので「確実」なコンビやトリオなんて誰もいないと思うし、むしろ準々決勝に進出したすべての漫才師115組はもう誰が漫才をしても全国ネットで世間を震わせる技術も面白さも兼ね備えた漫才師だと思っている。全ての芸人さんには心からリスペクトである。

●準決勝の展望

準決勝についてはまだ詳細は発表されてないが、例年なら25組程度が進出する。そして会場は東京の一箇所だろう。例年通りならNEW PIERホールだろうが、今年は客席制限もあるため分からない。今年はコロナ禍で3回戦がなかったという不確定要素を加えると少し多めの28組程度ではないかという前提の上で予想をする。115組からの28組なので確率にして24.3%、やはり4組に1組程度しか通らない狭き門である。そして大阪が10組、東京が18組で予想を組んでみた。今回、個人の主観が入ってしまうことには仕方ないと思うが、今全国ネットで見たい、年末の大舞台を彩ってくれる最高の28組を選んでいる。

●準決勝進出者予想 28組

《大阪》10組 ※はすでにファイナリスト予想済み
滝音 ※
見取り図 ※
からし蓮根 ※
エンペラー ※
金属バット ※
ニッポンの社長
祇園 
コウテイ
ぎょうぶ
ロングコートダディ

《東京》18組
ニューヨーク ※
マヂカルラブリー ※
東京ホテイソン ※
三四郎 ※
ミキ ※
真空ジェシカ
オズワルド
令和ロマン
ヤーレンズ 
モグライダー
ななまがり
ゆにばーす
アインシュタイン
ラランド
GAG
インディアンス
わらふぢなるお
カナメストーン

大阪では次点でニッポンの社長。コウテイはやはり食い込んでくるだろう。超ダークホースだが、ぎょうぶはネタの斬新さで審査員が唸るのではないかと予想している。祇園はまさかだが、ここへきて脂が乗っている感が否めない。ロングコートダディはKOCと昨年の勢いそのままに上がる可能性がある。

東京では次点で真空ジェシカとオズワルド。なぜ決勝に行かせないのか、と問われると説明できないくらい確かな面白さがある。今回は主観でマヂカルラブリーと三四郎を選んではいるが、この2組と入れ替わる可能性も高い。令和ロマンやヤーレンズは毎年結果を残しながらもついに今年花開く可能性が高い。わらふぢなるおのあのネタの完成度とフォーマットは素晴らしすぎるし、カナメストーンは東の超ダークホース枠として選出した。アインシュタイン、インディアンス、ななまがりは安定といったところだろうか。

●過去のファイナリスト落選

まず今回、過去のファイナリストでも容易に準決勝に進むことは難しいのではないかと思っている。2019年度からはぺこぱ、すゑひろがりず、2018年度からはトムブラウン、2017年度からはさや香、2016年度からはアキナ、スリムクラブを悩んだ挙句、準決勝に選べなかった。ぺこぱ、すゑひろがりず、トムブラウン、スリムクラブに共通しているのはネタのフォーマットが確立されており、あとはそこにキャラの強さを乗せられ笑いを生み出している構図だ。4組とも漫才における大発明をしてきたわけだが、すでに全国にお披露目され、売れっ子になってしまったこの4組にとって既視感というのはマイナスに働くだろう。やはり短期決戦のM1だからこそ鮮度とネタの設定数は必要になってくる。それがこの4組には少し不足しているかと思った。またさや香やアキナは元々口達者で漫才が上手いという印象があるが、更に漫才が上手くなりすぎた印象がある。劇場で安定している分には安心感があるが、やはり4分という戦いの中では少し落ち着きすぎているのかもしれない。さや香の熱量やボルテージには客席のウケも非常に大事になってくる。それがここ数年のM1準々決勝のお客さんにはイマイチハマってないことが苦戦の要因でもあるだろう。

●実力者の落選

過去ファイナリスト以外にも関西実力派の学天即、藤崎マーケット、令和喜多みなみ、デルマパンゲ、ツートライブ、吉田たち、関東実力派のダイタク、シシガシラ、ラフレクラン、四千頭身、くらげ、錦鯉、ウエストランド 、ういろうプリンなども過去の自分達と比べられたり、越えられなかったりで惜しくも選ぶことができなかった。漫才が上手いのはもちろんのことだが、上手いだけでは勝ち上がれないのもM1の時の運。やはりすべての歯車や帳尻がうまく合った時の運もあるかと思っている。劇場ではすでに漫才師として最前線を張る彼らには最大限のリスペクトしかない。

●ダークホースがゆえのもう一歩

過去に超ダークホースから一撃でファイナリストを勝ち取ったカミナリやさや香の例もあるが、ほとんどのコンビは超ダークホースを経て2年目、3年目に審査員がついに送り出すというパターンが見受けられる。今回真空ジェシカやヤーレンズ、モグライダー、わらふぢなるお、などの吉本以外の事務所の雄はついに念願叶っての準決勝があるのではないかと思っている。いずれもここ数年で準々決勝で惜しくも敗退しているが、お笑いファンの間ではすでにその実力と面白さが評価されているコンビだ。また滝音、令和ロマン、ななまがり、シシガシラなど吉本の実力派も満を辞して上がってくる可能性がある。そうゆう意味では今回は爆発力を期待してカナメストーン、ネタの新しさを評価してぎょうぶ、を超ダークホース枠として準決勝進出に選んだ。他にも筆者は2020年大会を見て、シンクロニシティ、ブリキカラス、ひつじねいり、ママタルト、もも、パーティーパーティー、たくろう、は非常に悩んだが、審査員もあと1.2年ともう一歩に期待しての落選もあるのではないかと思った。

●男女or女性コンビ 戦国時代

今回、ゆにばーすとラランドを準決勝進出の男女コンビに選んだが、男女コンビ含む女性がいる組はもはや戦国時代に突入している。準々決勝だけでもシンクロニシティ、ぼる塾、蛙亭、ヒコロヒーとみなみかわ、Aマッソ、納言、いなかのくるま、紅しょうが、ニボシイワシ、Dr.ハインリッヒと12組の激戦区である。時代を象徴するかの如く、お笑い界隈でも女性が活躍し、純粋にネタの面白さで男を凌駕しているところには筆者も感心する。本当に甲乙つけがたいけれど、その中でもゆにばーすは実績と昨年の雪辱を胸に準決勝まで勝ち上がり、ラランドは確かな演技力と技術力で勢いそのままに駆け上がるのではないか、と思っている。

●あとがき

以上長くなったが、筆者の考察する準決勝進出者である。本当に選ぶのが心苦しい。それほどまで全組が面白く、新しく、漫才が上手い。いよいよ2日後には発表になるが、全ての芸人さんが悔いなく漫才できることをとにかく祈っている。

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