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139、わたしは素直じゃない

私にとって語学学校最終日のアクティビティは、ボーリングだった。

私は、ボーリングが大の苦手。笑
「なぜ、よりによって最後の日にボーリング・・・」

Bowling is Boring(ボーリングはつまらん)
のギャグを連発しながら、主催者マリオを責め立てた。

マリオも
「本当はアンジーのために美術館とかにしたかったんだけど。今週は運動する日なんだ。ごめん」

とガチトーンで謝られた。
マリオは悪くない!

悪いのはボーリングが嫌いな私が悪い。それだけ。

ボーリングの嫌いな理由は、みんなが見守る中で一人、玉転がしせなならんこと。

めっちゃ恥ずい。
あと、足をクロスしてぴーん!って伸ばすポーズとか、ダサない?!
(ボーリング選手の人、ボーリング好きな人、ごめんなさい。。)

あと、ガーターばっかりだしちゃう私は、みんなの持つピンを倒す期待を裏切るのが、、、罪悪感!!!

ゲームを重ねれば重ねるほど、罪悪感。そんなゲーム嫌やん。

あと、大体ボーリングいくとその中におるボーリング好きのめっちゃうまい人とかいるやん。

そいつが、突然横に出てきて私に指導し始める儀式。

「手前の三角みるんやでー」とか「ボールは置くように、ひじのばして転がすんやでー」

とか。
その期待にすら答えられないときまた、罪悪感。

ってことで大嫌い。


あと、誰が履いたかわからん臭そうな靴を履くのも嫌!

ってことで、大嫌い。


ちょっと残念な気持ちだったけど最後だし、楽しもう!と心に決めてボーリング大会参加。

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私はずっとガーターだった。

でも、私以外にもガーターの人いっぱいいたからよかった。

2ゲームで終わって、そのあとはキングストンの街を散歩。

みんなでレストランに行こう!という話になり、
「今日は、アンジーが最後だからアンジーの行きたいところにいこう」

と言ってくれて、念願だったBill’sに行きたい!!と切望した。

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Bill’sは日本でも有名なハワイアンパンケーキのBill’sとは全く別物。
イギリス、ロンドンを中心にあるモダンブリティッシュレストラン。

トラディショナルなブリティッシュミールを、現代風にアレンジして提供している。

基本的にオーガニックやヘルシーなレシピにこだわっていて、お砂糖もきび砂糖やアガベが使われてたり。

あと、ベジタリアン・グルテンフリーにも優しい。
専用のメニューがあるくらい。

店内も、どのお店もそれぞれ可愛くて、観葉植物がたくさんあって癒しの空間になってる。

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フリーWiFiということもあって、いままで何度も紅茶やデットクスジュースをお供に宿題をしていた。

だけど、食事はしたことがなかった。

あまりにおしゃれなので、一人で食事するのは勿体ないと思っていたから。

そこで、今回Bill’sをチョイスさせてもらった。

マリオも「さすが、イギリス好きなだけあるわ。」
と褒めてくれた。笑


可愛いノンアルカクテルと、ずーーーーーっと食べてみたかったシーバスのグリル。

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(シーバスの写真は撮るの忘れました。)
イギリスでは、シーバスというお魚がメニューでよく登場する。

シーバスは日本でいうところのスズキなのだそうだ。でも実際には、European seabassとJapanese sea perchで日本で取れるスズキとは区別されるらしい。

みんなもそれぞれ食事を楽しんで、そのあとは近くのパブに行った。
どんどん陽が傾いていく。

マリオにもその場で感謝の手紙と、日本から持ってきた横尾忠則さんの画集をプレゼントした。
わたしは横尾さんの大ファンで、関西に住んでいた頃は横尾忠則現代美術館の展覧会は初回から全て目を通していた。月2回以上は行ってた。
ほんとうに、神社仏閣レベルの浄化エネルギーがすごいから。

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ご本人も、開館当時「神社に参拝するような感覚で来てください。こちらの鳥居はいつも開いてるんで。開館時間はあるけどね」

といったようなことを言われていた。笑

そんな横尾さんが好きすぎて、小さいけど画集を持ってきていた。
一応英語翻訳も載ってたので、誰かにあげも良い前提で。

その人がマリオだった。
マリオは日本が好きだし、彼の趣味を見てると少しサブカルというかノスタルジックな日本が好きそうな印象があった。あと、サイケ。

きっと横尾さん気に入るだろうと判断して差し上げたら大よろこび。

マリオはそこで初めて横尾忠則さんの世界を知って一気にのめり込んでいた。

嬉しかった。


それから、少しして
台湾に先日帰国した女の子からテレビ電話がかかってきた。

台湾時間は夜中1時頃。まだその子は18歳の女の子。
「眠いけど、みんなの顔がみたくて電話したの」
「アンジーいる???」

「いるよーー!」
「もう今日で最後でしょ??帰国するとすっごい寂しくなるよ。私もみんなに会いたいの」

「もう私は寂しいよ。」
「帰国したら、友達みんな違うことが好きになっててついてけないの。やだ。つまんないこっち。ロンドンに帰りたい」

といって泣いてしまった。

みんなで励まして、「いつでもこうやってテレビ電話しよう。みんな友達たよ」

「でも台湾にいたら、せっかく覚えた英語忘れる。使う時ないもん。」

「いいよ、英語話せなくても。大丈夫」

と優しいみんな。


私はそのとき、”私はどんなに寂しくても、彼女みたいにテレビ電話をわざわざかけたりする素直さはないだろうな。。。”

と思った途端、一気に寂しくなった。

”ここにいる人全員、多分もう二度と会えない。
私はそういう人間だから。”

最後にみんなでハグして、別れた。
マリオとも、きつくきつくハグしてお別れしたのだった。


プロポーズまであと358日


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