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みんながみんな自分の心の内を、自分の言葉で表現しあえる世界がいいな。

「あなたには、わたしの話を聞かない自由があるけれど、わたしを黙らせる権利はありません。」


この言葉に出会ったのは、わたしが20代の頃だった。


ある本の中で紹介されていて、
言葉の主は当時東京大学の教授であった
上野千鶴子さん。

講演中だか授業中だか会議中だか、
エピソードの詳細は忘れたけれど、
彼女が話をしていた時に
聴衆の誰だかに「黙れ!」と言われ、
彼女が返した言葉だそうだ。


衝撃だった。


自分や他人とのエネルギーや感情の境界が甘く、
無自覚に一体化してしまいやすかった
わたしにとって、

他者からのそのような暴力的な侵入に
なす術もなく黙り込み、
そして
そのなす術がないための気持ちの悪さを

「わたしが悪かったんだ。」

と結論づけることで
すっきりさせようとしがちだった
わたしにとって、


目が覚めるような言葉であった。


人前で自分の意見を表明するのは勇気のいることだ。

すべての人に受け入れられ、
共感される意見というものは
そもそもないから。


そしてそれがネット上になると尚更、
面と向かってだったら
そこまでは言われないだろう言葉を


投げつけられている有名人たちを
私たちは日常的に目にしていて、

そのことが
自分が発信する時にも
余計な勇気を伴わせることがある。


だけど、上記の言葉を知っているだけで
ただ知っているだけで、
随分助けられて来たなぁと
わたしは思う。


どんな人にも、
わたしの言葉を聞かない自由があると
知っていること。


どんな人にも、
わたしを黙らせる権利はないと
知っていること。


ただそれを、その両方を
知っていること。


そしてその上で、
みんながみんな自分の心の内を
自分の言葉で
表現しあえる世界がいいな。


そこに住みたい。


そこに住もう。

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