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雑談:「右手にジャーナル、左手にマガジン」の初出が知りたいよぉぉぉ

「右手にジャーナル、左手にマガジン」。聞いたことありますか? これは1960年代後半、学生運動の最中に言われたキャッチフレーズです。学生運動の担い手である大学生たちが、右手に『朝日ジャーナル』を持ち、左に『週刊少年マガジン』を持っている、その両方の精神を持っているという表れなんです。

『朝日ジャーナル』は新左翼運動に肩入れしていた週刊誌で、『週刊少年マガジン』は当時150万部を突破した大人気漫画雑誌。漫画は子供の読むものであって大学生が読むなんて……と大人から軽蔑されるような時代に、それをあえて手に取ることが上の世代への反発につながっていました。なんでも石子順造によればこの両誌はたまたま発売日が一緒だったそうです。

四〇年度の調査で、『少年サンデー』が京大生の間の週刊読書順位で第四位だったからといって、マンガが高度になったという証明にもならなければ、高度なマンガがかかれているようになったから、大学生が少年誌を読むようになったのだともいえるはずはない。逆に言えば、マンガを主体にした少年誌を愛読しているからといって、それが、大学生が低級になったことの証明にはまったくならないのである。
そんな当たり前すぎるほどのことが、でもとにかくニュースになった。そしてまもなく、“右手にジャーナル、左手にマガジン”とか、“手にはジャーナル、心はマガジン”などといわれるようにもなるのである。「ジャーナル」は、左翼進歩的な論調の週刊誌とみなされていた『朝日ジャーナル』のことで、「マガジン」は、いうまでもなく「巨人の星」や「天才バカボン」、「無用之介」など話題のマンガを連載していた『少年マガジン』のことであった。この二誌は、たまたま発売日が同じだったこともあって、大学生が本屋の店頭や駅の売店で、この二誌を同時に買っていき、そのことが時代に対する大学生の関心や姿勢を暗示していると評されたのである。

一緒に買う人が多かったから、どっちも持ってる人が目立った……ということでしょうかね。

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2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。あとnoteの有料記事はここに登録すれば単体で買わなくても全部読めます(※登録月以降のことです!登録前のは読めない)。『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』も全部ある。

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追…

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