見出し画像

インターネット30年史(2017年『激動の平成史』)

インターネット30年史 ウェブ2.0が大衆化させたインターネット進化論

平成とインターネットという関係で見れば、最初の数年間は一般的にはインターネットはほとんど存在していないに等しい。日本ではもともと一九八四年に「JUNET」という大学間を結ぶ非営利の実験ネットワークとして始まったため(商用利用が解禁されたのは一九九三年)、大学関係者や研究者以外の、なんでもない個人が接続する手段がなかったからだ。一般人が現在のように気軽につなげるようになったのは、安価なプロバイダ「ベッコアメ」「リムネット」などが登場した一九九四年から。もっといえば流行語に「インターネット」が選ばれ、「ウィンドウズ95」が発売された一九九五年からである。

例外は大学生だった。大学の実験で始まったのだから、利用者は当然ながら大学教授や大学生が中心になる。そこで、この新しい実験場を促進するように、一九九四年夏頃から大学側が生徒たちにウェブサイト開設をうながしはじめたのだ。ただの大学紹介ページの集合体だったワールドワイドウェブは、学生らの手によって音楽、ファッション、マンガなどの最新情報が更新され、表現欲を発散する新たなコミュニケーション空間に変貌した。「個人サイト」の誕生である。

個人サイトの時代

ここから先は

3,619字
2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。あとnoteの有料記事はここに登録すれば単体で買わなくても全部読めます(※登録月以降のことです!登録前のは読めない)。『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』も全部ある。

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?