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このたびの修羅場のおぼえがきあれこれ

 修羅場とは、執筆作業がギリギリのスケジュールで進むことなのだ!

 無理なスケジュールを組んではいけない。
 〆切がわかっているのだから前もって早めに始めておかねばならない。
 なんでギリギリになってから慌てるの?

 そんな心ない言葉を投げつけられる経験は、誰でもあったと思います。

 最近のわたしはほんとうにだめでした。どれくらいだめかというと、早いのだけが取り柄なのに、ずるずる〆切を延ばしてもらって初稿出しが一か月遅かったり……一週間遅らせてもらったり……それをしなかったことがなかったのではないかと思わずこの半年を振り返ってしまいました。そして思い出せない。それでも本が出るのは担当編集氏のおかげです! ありがとうございます! ご迷惑をおかけしてすみません! ありがとうございます!

 しかしこの夏のやばさは今までに群を抜いていました。
 版元都合で気がついたらひと月に三冊出したことも遠い昔にあったのですが(ぜんぶ、複数の別名義)、あれはまだらくちんだった……モゴモゴ
 そのやばさを、以下にダラダラ書きます。
 章分けをする気力もなくてすまない……

 今回のスケジュールは別名義+自分でどうしてもやりたかったことの複合技でした。もちろん別名義仕事が優先です。ちなみに8/19〆切だったのに、〆切を延ばしてもらったあとで二日も夏風邪で寝込んでロスしたのでひどいものでした……執筆ペースはこんな感じ。日程には目をつぶってほしい。

 これは友人が作ってくれた進捗管理ツール……というか、その日までの進捗を確認できるエクセルシートです。執筆GOが出たのが7/15だったんですが、7/30まで手をつけられませんでした(おさっしください)。
 左側がその日の終わりの時点の総文字数で、右が実働です。「その日に書いた字数」を確認する際、書き始め部分から憶えて最後まで選択して数えていたんですが、書き始め部分以前にも追加するので、このように、現時点総文字数-前日総文字数で数えるととてもわかりやすくてありがたかったです。ありがとうあやのちゃん ありがとうあやのちゃん

 作家や本の規模に差はあるでしようが、わたしはだいたい文庫1冊、40字/16行/1頁で256頁だと9~10万字くらい。これは計算式で割合がわかっているので計算できるようになりました。計算式については後日改めて記事を書きたいです。

 で、今年は8/31までに10~12万字くらいの小説をかかないといけない!って思っていました。これは仕事の執筆ではないです。いつもの趣味(おさっしください)のお話でもないです。
 最初に考えてから20年近く経っている話ですが、近年、とても読みたくなっていて(つまり自分で書かねばならない)、くさのひと(プロット練り職人)にも相談してめちゃくちゃ変遷したんですが、とにかく書く!ってなりました。

 さきほどのキャプチャを見ればわかるとおり、26日にアホほど書いているので疲れているのです。そろそろ喉が痛みだしていました。喫煙者だからの痛みではなく、疲労の痛みです。これをほっとくと風邪で寝込む。疲労風邪ですね!
 ツイッターでもつぶやきましたが、(記憶が朧なので)26日くらいに執筆先のコメダにほど近いスギ薬局に行きました。喉が痛いが咳も洟も出ない、風邪気味でだるい、という相談をしたら、すすめられたのが「「クラシエ」漢方甘草湯エキス顆粒S [12包]」と「新ハリーゴールド液」の2点。

 いや~これがまじで! 元気になるには元々が疲れ切っていたから無理だったけど、体調の崩れかた(……)がゆっくりになりました! やった!
 これの前に買っていたVロートアクティブプレミアム(目がしょぼしょぼしたら、あるいは90分ごとに使う)およびチョコラBBハイパー(集中力が切れたときのドーピング剤)と組み合わせて、体調はほぼ「崩れずに」済み、1日も休むことなく、最後まで期間内に書き上げられました。
 ちなみに、31日までに仕上げたものは、以下の執筆ペースでした。

 最後の週、ほんっとうに、あと一日ほしかったけど……移動したり、寝込んだり、したもんね……どうしても、足りなかった……だけど、仕上がりはしたので、いいんですよ!

 あまりにも時間が足りなかったで、29日あたりに、「もう執筆中にゲームしてられないな……」とやっと気づき(……)、さらに、ノッてくるとトイレに行くのを我慢してしまう癖があるので、強制的に一時間半ごとに休憩を取ることにしました。
 そうしたら、漠然とダラダラやるよりるめちゃくちゃ効率がいい!!!! おどろき!!!!!!(知ってた、というひとはこの記事を読まずともよいのです……)
 一時間だと短く、二時間だと長いので、中間の一時間半にしましたが、これって大学の講義の一限じゃないですか。90分ですね!
 28日くらいから、一太郎の基本編集パレットの文字数を常時表示させて、ちょっと書いては更新するようになりました、1000文字単位で数字が増えると励みになったのです(もはやわけがわからない)
 そして29日に、90分で6000字書けば30日に終わる!!!とわかりました。ただし、コメダのモーニング食べて昼プレート食べて夕方にも何か食べたりそのあいだも追加のドリンクを頼んだりするのです……コスパについては考えてはいけない。これ、一円にもならないから大赤字なのでは、などと思ってはいけない。
 いや、お金がかかるどうこうではなかった。つまり、そういうことに費やす時間は別立てで必要なのです。90分6000字は、打鍵以外何もしない状態での最速です。そして、何も考えずに打つ最速。
 そう。ここに来て、打鍵の速度が上がらない、最大の障害に気づきました。

 書いてる話のプロットが適当。

 書いている話のプロットは「AとBが出会ってなんやかんやあって心が結ばれる」的な内容です。
 小説を書いたことのあるひと、そうでなくてもお話をつくったことがあるひとならわかると思いますが、この「なんやかんや」がくせものです。
 今回、有能なプロット練り職人くさのひとの力を借りて、自分が20年くらい前にふわっと考えたお話を練り直しました。
 そうしたら、AとBのW主人公で視点交替していたのが、Aのみの視点主人公になりました。それに伴って、「めちゃくちゃ弱いけど実は芯の強い男」という設定のAが「それなりに苦労しているけれどそれが表に出なくてなんか無神経な感じのする善良なサイコパス」みたいになりました……主人公がそこまで変わるかね……(ちなみに最初に考えたときはBが主人公でした……)
 余談ですが、最近、人畜無害そうな性格で書いていた主人公が、何かのきっかけにぬるっと仮面を脱いでわけのわからないことを言うサイコパス化が多すぎて、我ながら怖いです。なんなのきみたち……

 そういう、キャラの変遷もですが、「なんやかんや」を考えていなかったので、執筆が序盤(!)以降、完全に手探りでした。なんか、いい感じにトラブルが起きて、そのトラブルの解決をAがしたのでBがお礼をすることになり、それがくさのひとの提案「距離が近づく」に、結果的にそうなったのが、わ~って感じでした。

 こういうこと書くといじわるなひとたちが「ふしぎちゃんぶって」とか「中二病?」とか反応しそうだなと思うのですが、よく考えたらわしのnoteは誰が読んでるんだ?と気づいたので書くのだ。(とつぜんなアライさん)
 何かのお話を考えて書き始めても、内容が決まっていないなんてことはままあるのです。
 執筆中のことは執筆に必死であまり記憶が残っていないだけだと思うんですが、ときと場合によって、自分でも気づいていなかった要素がぱちんぱちんと見事にはまり込んで、まるでジグソーパズルがおさまるみたいなときがあります。
 今回、起承転結を、頭・胸・胴・脚と考えると、お腹の部分がまるっきりなかったんですが、するする出てくる! すごい! きもちわるい! なんだろこれ! ……ってなりました。おなかパンパン(意味違う)。
 執筆疲れの気のせいかもしれませんが、めちゃくちゃきれいに伏線が拾えて、素晴らしい収まりっぷりでした。いろいろと問題のある内容ですが(もっと丁寧に書いて12万字くらいにしたかった……)自分が好きな傾向にくわえて、この感じがたまらなくありがたく楽しかったです。
 オチは決まっているとはいえ「心が結ばれる」っていうの、どんな感じで? どこで? どうやって結び合うきっかけがあるの? そのへんのイメージも曖昧でしたが、書きながら決めたというか、書いていたら決まったという感じです。すごい! わたしじゃない! 誰かが!
 この場合の誰かとは、昔、このプロットを考えて読みたいと思ったわたしと、それにガンガンにダメ出しをしてくれた昔の知人と、それでも読みたいと執念深く考えていたわたしと、その話をしたらプロットのリメイクに付き合ってくれたくさのひと、仕上がったら遊んでくれる約束のおとうふさんや応援してくれたもっふんのことですね!
 今回、くさのひとのちょっとしたアドバイス「ふたりの想い出の場所」「共通の何か」「距離が縮まる」のエピソードが、入れようと思ったわけでもないのにさくさく書けたのは、自分以外の誰か(この場合はくさのひと)とプロット練りをしたので、外部入力としてすんなりと頭にしみ込んでいたのかなあと思った次第なのだ。は~銀座のカラ館で8時間もプロット練りにつきあってくれてありがとうなのですくさのひと……このご恩は何で返せばいいのでしょうか。(なんか昔の同人誌のあとがきノリになってきたなあ……まあいいか……)

 しかし、自分に言いたい。
 今回で一日に3万字以上書けなくはないとわかったけど、体に響くから、「いざとなれば3日で1冊書ける」とか思わないことだ!と。
 そして、プロットはきちんと詳細に書くこと。会話まで書かなくていいから、「なんやかんやあって」ではなく、具体的なことを書いておいてほしい……自分に言いたい……
 とはいえ、今回は、そうした詳細がなかったので自由度が高く、あとから伏線もガンガン入れ込めたので、よかったといえばよかったのかも……ううん、わからん。

 無茶なスケジュールを組んでしまいがちなのですが、そうなると自分でもよくわからないのですが、日々コツコツやるよりいい感じの内容になる気がするのです(気のせい)。
 日々コツコツやるのはだいじだと思うんですが、コツコツ連日書いていても、3日以上前に書いた内容を忘れてしまうので、できれば月曜から金曜までで1冊書いてしまいたいのです。土日は!!!! やすみたい!!!!
 1日に2万字書ければ無理ではないかもしれないが……90分で4500字が常時の平均速度。しかし1時間3000字というわけでもないのです……7時間延々と3000字速度で書きつづければ可能でしょうが、そういうわけにもいきません。何か食べたりトイレに行ったりするのです。
 ただの執筆マッスィーンになって、脇も目振らずに書きつづけられたらいいのになあと思います。
 そして歳を取ると体にガタが来る。執筆作業は体力勝負なのです。もうかなりいい歳なので、この先、無理は利きません。

 無理の利く今のうちに、やっておきたかったことを、やれました。ずっとやりたかったことだったので、うれしいです。それに伴って、書きたかった話を書けました。
 自分もこんなふうにがんばれるんだ、できるんだ、という達成感が、疲れのあまりさほど感じられないのが残念ですが……だけど、しぬまでに書きたい4本の話のうち、1本が書けたので、あと3本のプロットを探して、機会があるときに徐々に処理していこうと思います。

 ずっと出しそびれていた夏休みの宿題が、出せたような気持ち。