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理想の親になれている、悲しい

大学4年生の娘と大学1年生の息子がいる
愛する子供たち

ある日娘が言った
「友だちがうちに住んでもいい?」と

経緯はこういうことらしい



その友達は地方から単身関東へ出てきて就職していた
しかし3月中に退職
幸い5月からは次の就職先が決まっているので、
その間をバイトで食いつなぐつもりだった

が、コロナ

バイトは無理になり5月の仕事開始まで約2か月、
家賃を払ったら残金2万円
2万円で2か月生活しないといけないし、
仕事が始まってもお給料がもらえるのはその1か月先…



いざとなったら実家に帰るか、
あるいは親から支援してもらうかすればいいじゃない

普通だったらそう考えるかもしれない

でも

両親に頼れない人もいるのだ

その友達もそうだ

親の暴力から逃げるために地元を離れて、
関東で一人暮らしをしているのだ
帰れるわけがないし、帰ったらいけない
頼れないだろうし、頼りたくもないだろう



「いいよ~」
と言うと娘は、


「そう言ってくれると思ったから、いつでもおいでってもう言ってある!」
と、ホッとしたような顔をした…違うな、
パッと明るい表情を見せた…違うな、
なんだろう、正解を当てた、みたいな顔をした



あー、これなんだよな と思った

私がなりたい理想像はこれなんだ

あの人はきっと否定しないでくれる
あの人はきっとわかってくれる
あの人はきっと後押しをしてくれる

そう思われることこそが理想なんだ
そう子供に思われる親こそが私の理想の親像なんだ

娘は正解を当てた、
うちの親ならきっと否定しないでくれる
うちの親ならきっとわかってくれる
うちの親ならきっと後押しをしてくれる
そう信じたことが正解だったということだ

私は理想の親になれている、うれしい


でも

友だちはごはん食べれてるのかな
体調は大丈夫なんだろうか
親でなくていい、誰か信じられる大人は見つかったかな

悲しい

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