今朝の市場はこの話で持ちきり(といってもいつものお茶飲み仲間3人だが)となった。

日本人ならおなじみのあのラッパのマークの正露丸(大幸薬品)がアニサキスに効くということがわかったらしい。

なんと特効薬が日露戦争よりも前から100年以上にわたってすでにこの日本に存在していたのだ。

これであの激痛から解放されるのか…

皆一様に驚いていた。

そもそもアニサキスってなに？

お察しします。そもそもアニサキスってなに？人の名前？そう思う人も多いだろう。

このアニサキスとは飲食業界で最も恐れられているといっても過言ではないほど凶悪な寄生虫の名前である。

アニサキス（学名：Anisakis）は回虫目アニサキス科アニサキス属に属する線虫の総称。全ての種が魚介類に寄生する寄生虫であり、食中毒（アニサキス症）の原因寄生虫として知られる。　　　出典:Wikipedia

※想像を絶するキモさなので画像は検索しないことをおすすめします

コイツは生の魚介類に寄生していて、刺身などを食べることで、その虫が胃壁や腸壁に穴を開ける。

それが食中毒（アニサキス症）を引き起こす。

食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じ、のちに激しい下腹部痛、腹膜炎症状へとエスカレートしていく。

あの苦しみは味わったものにしかわからない。胃壁を噛みちぎられるその痛みたるや…

言葉では言い表せない苦しみなのだ。

(あんまり言うと刺身が嫌いになってしまう恐れがあるのでこれ以上は自己責任でお願いしたい)

幸いアニサキス類は、高温でも低温でも少しの傷でも死滅するとても弱い寄生虫なので、魚を加熱もしくは冷凍することで安心して食べることができる。(きちんと対策をすれば必要以上に怖がるものではない)

これまでの具体的な対処法は〇〇だった

これまではアニサキス治療する時には、病院行って内視鏡で摘出するというものだった。

すぐに胃カメラ検査が行えない場合には、ステロイド薬、抗ヒスタミン薬、などを処方され、経過観察となるケースもある。

通常アニサキスは人体に入り込んでも、1週間程度で死滅すると言われている。

しかしながらその間は、脂汗をかくほどの激しい痛みに見舞われることになるのを覚悟せねばならない。

いずれにしても一大事なことに変わりはない。

当然のことながら彼らに罪はないわけで、寄生虫がその人生を愚直に全うしているにすぎない。

”プロフェッショナル寄生虫の流儀”である。彼らにも親兄弟や恋人(大切な人)がいるはずた。

10匹いれば10通りのドラマがある。そこは我々と何ら変わらない。

なぜ今頃になるまで気づかなかったのか？

さて、なぜ発売から100年も経っていながら誰もこの事実に気が付かなかったのだろうか？

しかも元々がお腹の薬だったにも関わらず。

ここから学ぶべきことは正露丸の凄さもさることながら既存のものに新たな発見が隠れているかもしれないという点ではないだろうか。

勝手ながら独断と偏見で今までの正露丸のイメージを振り返ってみると

・お腹の薬

・めっちゃ臭い

・ほとんど飲んだことがない

以上の3つに集約される。

世界で唯一の薬だったにもかかわらずこの評価はあまりにも申し訳なかったと深謝したい。

明日からは仏壇とラッパのマークには手を合わせて拝むことにしよう。

気づきというものは案外身そのへんに転がっているものなのかも知れない。

前からずっとそこで手を振っていたにもかかわらず自分にはそれに気づいてあげられる感性がなかった。

そういったケースがこれからも身近にあるかもしれない。

「当たり前だからこそ見落とす」ことがある。

自分にとっての常識、日常をいま一度見直そう。

我が身に眠るインディジョーンズよ、今こそ目を覚ませ。

新たなニューヒーロー正露丸

これまでは敬遠されてきたあの独特の臭いがこれからは救いのシンボルとなる。

そうだ、己の命が助かるのだからこの際臭いなど二の次でいい。むしろあの臭いこそなにかの強力な成分の特徴に違いない。

アンパンマンだって濡れたら弱くなるという弱点があるではないか。正露丸のそれは「臭い」ただそれだけだ。

効き目に何ら影響は及ぼさない。

アンパンマンの顔と正露丸はもはや同格なのだ。

露(ロシア)を征するというところから名付けられた正露丸(征露丸)が今やアニサキスを征してくれる。

ありがとう、文字通り正露丸は最強の薬だ。

飲食業界に従事する者たちよ、今日ここに高らかに革命のファンファーレを鳴らそうではないか。

さらばアニサキス、正露丸よ永遠なれ。

(ちなみにあのCMのラッパのメロディは兵隊さん達に食事を知らせるためのものらしい)