小説「もういちど生まれる」を読んで

3年半前の大学1年冬、どこか救われた気分になった小説。

その頃のおれは、新天地での大学生活に馴染めず、授業にも出ず家に閉じこもっていた。エンジョイしている同級生が羨ましくて、SNSなんか自分が惨めな気持ちになるから、絶対に見れなかった。

そんな置いてけぼりにされたおれを「そんなことないよ。他にも苦しんでる人はいるよ。」と教えてくれたのがこの小説。

短編小説が6つほど合わさったもので、主人公は葛藤を抱えた20歳の学生たち。全員が「知り合いの知り合い」という、妙な数珠繋ぎになっているのがこの小説のおもしろいところ。

ある女の子Aちゃんは、

物語①では、主人公のバイト仲間で、夢に向かってひたむきに努力するかっこいい20歳。

でも、物語②では、主人公として、理想と現実のギャップに苦しみ、強がっているけど今にも崩れてしまいそうな、か弱い20歳。

第3者目線・本人目線でこうも違うのか、おれが気づいていないだけでみんなきっと色々抱えているんだろうな~。そう思うと、少しだけ気が楽になった。置いてけぼり感から解放されたような感覚だったかも。

あれから、もう3年半が経って、留年しちゃったおれも、来年からは社会人。内定1つもらえて、まだ数社面接は受けるけど、どこに受かったとしても東京に行くことになる。

大丈夫かな~(笑)不安だな~、大都会東京。

また大学生活初期のように、メンタルブレイクしまったらどうしよ。いや、逆か。メンタルブレイクを経験できたことによって、免疫を持ってるからおれはもう大丈夫か!

うん、そういうことにしよ(笑)落ち込んだ時には、「もういちど生まれる」の社会人Ver.読んで、どうにかおれを救ってほしい。

あ、この救い方を知っているということは、一度その経験をしているからこそか。

メンタルブレイクの免疫ができてるかどうかはまだわからんけど、メンタルブレイクしたときに、どのお薬が効きそうかっていうのをわかってるのはありがてえ。

あの経験も、無駄じゃなかったよな、きっと

当時のおれに、「まあ、なんとか大学も楽しめて就職もできるから、そんなふさぎ込むなよ。もっと気楽にさ(笑)」

って、言ってあげたい。


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