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フォフォフォ派 2022/02/05

映画『バトルシップ』を見た。(ネタバレ注意)

キッカケは友人に「カエサルが好きそうな作品だから見なよ」と言われたからだ。「チキンブリトー」を買ってから見ろと言われたが、チキンブリトーなんてメキシコにしか売ってないと思い普通にポップコーンとグミを食べながら見た。

結果からいうと、面白かった! 私は理屈っぽいシーンが続くと脳がスリープしてしまう持病のため細かいところは覚えていないが、エイリアンがやってきて地球をめちゃくちゃにしてきたので戦艦でドガーン攻撃してバーン!!! 大破!!! うおおおおやったぜU・S・A! U・S・A! という映画だった。

敵であるエイリアンが思っていたより人型だったのは少し残念(私はクリーチャーが好きだ)。でもそれを差し置いても楽しめる映画だった。戦艦だけでなく肉弾戦もあり、爆発もたくさんするし、"破壊アルマジロ"みたいな地球外生命体の開発した大量破壊兵器みたいなものも私を興奮させた。

映画の終盤、"ジジイ"が活躍するシーンがある(ここでの”ジジイ”は蔑称ではない。愛を込めての"ジジイ"だ)。残っている戦艦が過去に使っていた旧式のものしかないため、退役軍人であるジジイ達を起用してそれを操縦するというシーンだ。「戦艦が簡単に沈むか!」なんて脳筋な台詞も飛び出し、電気駆動ではなくガスタービンが回って大砲が火を噴きエイリアンどもの宇宙船をボコボコにするという展開だ。

こういった「昔一線級だった老人が現場復帰して活躍する展開」はある種王道で、好きな人は多いんじゃないかと思う。もちろん私も大好きだ。映画だけでもブルース・ウィリスやデンゼル・ワシントン、架空のキャラクターだって似た展開はいくらでもある。しかし、何故この展開が好きなんだろうか。

考えるに…………「自分の未来に希望が持てるから」ではないだろうか。基本的に生物は老いると能力が低下し活躍の機会が減っていく。「老い」は人類平等に訪れるし、身体の不調などで明確に表れる身近な恐怖だ。しかしたまには「老い」をはねのけ映画みたいに大活躍して周囲からの尊敬を得られる瞬間があるかもしれない、そういう夢をみさせてくれるからこそ大人気の展開なのだ……老いの恐怖から目を逸らすための麻酔……。と考えるのはいささか悲観的だろうか。

あとは「ジジイは動揺しないからかっこよく見える」というのもある。映画に登場する活躍ジジイが何かに怯えるシーンがあっただろうか? 豊富な経験・場数による精神の強さや、老い先短く失うものはもうないという心構え……それらの"特攻精神"がアグレッシヴに見えてカッコイイのだ。

しかし、「恐れない=カッコイイ」という価値観でいうと、この展開はヤンキー漫画と構造が一緒だ。「経験が浅いから自分の強さを信じつっぱっていくヤンキー」と「経験深いため恐れることなく突っ込んでいくジジイ」が同一の魅力を持っているのはなんだか面白い。

私も、将来的には強いジジイになりたいな。しかしそのときに肝心なのは、笑い声をどうするかということだ。「カッカッカ!」と笑う闊達なジジイもいいし、「ひゃひゃひゃひゃ!」と笑う怪しいジジイも捨てがたい。でもやっぱり「フォッフォッフォ……」の仙人系ジジイが一番王道で強そうだ。決めました。私は将来フォフォフォでいきます。

しかし、カッコイイジジイはそもそも何らかに強いというのが前提だ。私なら……………………最強の引きこもりジジイになれるだろう。「ワシが若いころにはコロナとかいう病が流行って誰も外など出歩けなくてな……引きこもる術を磨くしかなかったんじゃ!」と言いながら若い主人公にインターネットサーフィンのやり方を教える展開。若い主人公がUSB2.0ケーブル(Type-B)に表と裏がという事実を知らず混乱しているところにさっそうと現れ、「魔法のiらんど……」と呟きながらケーブルを接続して去っていく……。

全然かっこよくねえ。終わりだ終わり。

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