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近くへおでかけ

現在暮らす高原に移り住んで以来、移動は完全に車となりました。
ということは、すっかりお酒を飲みに出かける機会が無くなったということです。
東京暮らしを謳歌していた若かりし頃は、素敵なお店を巡るのが本当に楽しみだったのですが。

ここではバスは1時間に1本ほどありますが、街から帰る最終がなんと19時。
タクシーや代行を使うという方法もあるにはあるけれど、片道だけで軽く5000円を超えるため、「そこまでして」飲みに行きたいという気持ちもないのです。

とはいえ、たまにはお店で美味しいお酒を楽しむ時間も持ちたい。
そしてある時、マリー・アントワネット的に思いつきました。
「夜に飲めないなら、昼に飲めばいいじゃない?」

ということで、定休日の昼間にバスで出かけてお酒を飲む、という楽しみを発見。
バスなら繁華街のある駅前まで所要時間は約40分、バス代は片道約1000円、往復したら2000円……と、これもなかなかにお高い。
ここがいかに僻地にあるかがおわかりになるかと思います。
一応、「戸隠神社」という人気スポットのお隣のエリアなのですが。

戸隠?
そこで気がつきました。
当店の最寄りバス停は、駅と戸隠の間、それも戸隠寄りにあるのです(というか戸隠の手前)。
戸隠には美味しいお蕎麦屋さんがそれはもうたくさんあり、お蕎麦屋さんにはお蕎麦だけでなく天ぷらもおつまみもお酒もあります。
バスで駅前方面ではなく、逆方向のバスに乗って戸隠へ行けば飲めるではないですか!
そのうえ戸隠へは、所要時間は約10分、バス代は駅へ向かう場合の半額以下。
どうしてもっと早く気づかなかったのでしょう。

というわけで、8月のある定休日の真昼間、観光客に混じってウキウキと一人バスに乗り込んだわたし。

まずは勧められたクラフトビールと浸し豆で幸せな溜息。

お昼時の観光客で店内は大変混みあっていたために、天婦羅蕎麦とビールを注文した際、「ビールの後に日本酒もお願いするつもりなのですが、今のうちに注文しておいた方がいいですか?」と尋ねたところ、
「いえいえ、後で大丈夫です。では、天婦羅とお蕎麦の間にちょっとお時間挟みましょうか?」
と、笑顔で対応してくださるお店の方。
慌ただしい状況の中、酒呑みの一人客のために天婦羅蕎麦のお蕎麦だけを、日本酒に合わせて時間差で出すことを提案してくださるご配慮。
感激です。

先に出して下さった天婦羅をつまみにビールを飲みます。

その後、ご機嫌で一人飲んでいるわたしのビールの進み具合を見て、お店の方が「日本酒、そろそろ?」と声をかけてくださいました。
またまた感激してすぐに銘柄を選ぶと、「グラスと1合、どちらに?」と聞かれて迷わず「1合」に。

大変美味しかったです!

日本酒と、時間差で出してもらったお蕎麦を食して、〆に蕎麦湯も飲み干して、大満足で店を後にしました。
素晴らしいサービスも、美味しいお酒も食べ物も、御馳走さまでございました。

その後は店を出てすぐ目の前にある戸隠神社中社をお参り。

戸隠神社中社
鳥居をくぐってほろ酔いで階段を上ります。
毎年お正月に参拝してますが、夏もいいですね。
新年にここでおみくじを引き、年末に答え合わせをしていますが驚くほどよく当たります。

中社からさらに奥地にある戸隠神社「奥社」は、荘厳な杉並木のある参道が有名ですが、奥社駐車場は中社から約2キロ先で、さらにそこから徒歩でしか参拝できない参道は片道約2キロ(終盤はかなり急峻)、という位置にあるため今回はご紹介致しませんが、奥社もまた素晴らしい神社です。

中社参拝の後、帰りのバスを待っていると、地面に止まる蝶を発見。

こんにちは。

わたしがスマホで撮影していると、同じバス停でバスを待っていた男性が、大きなカメラで撮影しながら、「『キベリタテハ』だね。縁が黄色でしょう?」と教えてくれました。
見ると先ほど同じお蕎麦屋さんで少し離れた席に座っていた旅の方です。

キベリタテハ

ほどなくバスがやってきて、帰りもほとんど満席のバスに揺られて久しぶりの外飲みタイムは約2時間で終了。
普段はマイカーで行き来する生活圏内へのおでかけではありましたが、多くの観光客に囲まれて、ちょっとした小旅行気分が味わえました。
地元再発見。
旅人になった気分でご近所へおでかけ、おすすめです。

戸隠へお越しの際は、ぜひ長野駅から戸隠までの途中にある当店にもお寄りいただけると嬉しいです。
お蕎麦の後に美味しい珈琲なんていかがでしょう。
長野が誇る観光地「戸隠」にあやかる気満々の店主。
今回伺ったお酒の充実した素敵なお店も、その他の美味しいお蕎麦屋さんもご紹介いたしますよ。
お待ちしております♪

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