『café-sweets』編集部

菓子・パン職人、カフェオーナーのための専門誌、『café-sweets』編集部です。 …

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菓子・パン職人、カフェオーナーのための専門誌、『café-sweets』編集部です。 noteでは、より多くの人に面白さを知っていただけるよう、過去に連載していた記事などを投稿していきます!

最近の記事

和菓子、この味《板倉屋の人形焼》

粋な江戸情緒が残る、東京・人形町。観光客も多いこの街の代表的なおみやげといえば、人形焼だろう。「板倉屋」は人形町で百十余年営む、人形焼の老舗。人形焼は行楽地などで機械による量産品も多く見かけるが、同店は手焼きひと筋。1個(120円)を食べ歩きするお客から、周辺の会社員の贈答利用まで、老若男女が訪れ、ここの人形焼でなければと長年通うお客も多い。 同店の人形焼は七福神をモチーフとし、彫りがとても細かい。焼きたてをほおばると、外側はカリッ、内側はふわっとした生地の中に、みずみずし

    • 和菓子、この味《御菓子司 三陽の麩まんじゅう》

      東京・武蔵小金井で50年余営む「御菓子司 三陽」は、まさに”町に根づいた、昔ながらの和菓子屋さん”だ。住宅の多い通りに建つ、昭和の風情を醸す小さな店舗。売り場には、明るくやさしい女将の姿。つくりたての菓子が並び、日々のおやつを求めて老若男女が訪れる。 とくに目をひくのが、大ぶりの笹の葉で美しく包まれた、看板商品の「麩まんじゅう」。粒あんと漉しあんがあり(各200円)、生地は前者がヨモギ、後者が青海苔入りだ。購入してまず気づくのは、笹の葉の上に水を含ませたキッチンペーパーがの

      • 和菓子、この味《梅源の石ごろも》

        東京・浅草の中心部から少し離れた、かっぱ橋道具街裏手の静かな路地にたたずむ「梅源」。百十余年の歴史をもつ同店の品ぞろえは、少数精鋭。白ザラ糖による蜜とアズキを合わせて小さく固めた「小倉金花」や「豆板」、サツマイモを蜜漬けにしてつくる「芋甘納糖」や「あぶり芋」、「あずき甘納豆」に「きんつば」。どれもていねいな仕事が表れた見た目と味わいで、それぞれファンをもつ。そしてもう1品、店頭にはない名物が、漉しあんを小さく丸めて乾かし、白ザラ糖による”すり蜜”で糖衣がけした「石ごろも」(5

        • 「イデミ スギノ」杉野英実シェフが映像化プロジェクトで伝えたいこと

          「杉野さんのお菓子づくりを映像で残しませんか」。 柴田書店から映像化の話があった時、これまで自分が学んできた技術や考え方を知っていただくよい機会だと思うと同時に、どんなお菓子を紹介したらいいかと悩みました。 これまで僕の本では紹介していないものを、とも考えましたが、2017年に出版した『進化する菓子』は僕の集大成。載っているのはどれもスペシャリテですし、すでに多くのパティシエにも手にとってもらっています。 読んだ方から「本のようにつくってみたのですが」と聞かれた経験もあり、

        和菓子、この味《板倉屋の人形焼》

          アメリカ菓子の魅力とは?/『café-sweets vol.223』好評発売中!

          アメリカンスイーツが人気です。 ベイクショップでも、コーヒーショップでも、主力となっているのはアメリカンテイストの焼き菓子。マフィンやカップケーキ、キャロットケーキにブラウニー……。 焼きっぱなしのカジュアルなアメリカンスイーツは、朝食にも、おやつにも、ブレイクタイムのコーヒーのおともにもぴったりな日常の菓子として浸透しています。 ベーカリーでも、クロワッサンロールやバブカ、コーンブレッドなどアメリカ発信のアイテムが続々登場。 『café-sweets vol.223

          アメリカ菓子の魅力とは?/『café-sweets vol.223』好評発売中!

          和菓子、この味《銀座 萬年堂本店の御目出糖》

          「銀座 萬年堂本店」の「御目出糖」(281円)は、婚礼の引出物、お祝いごとや接待などの進物用から自家用まで、幅広く愛され続けている銘菓。同店13代目の樋口喜之さんが「しみじみおいしい、滋味あふれるお菓子です」と語るように、独特のもっちり感がある生地をかむほどに、アズキが豊かに香る蒸し菓子だ。 同店の歴史は1617(元和3)年にさかのぼる。京都・寺町三条で「亀屋和泉」として創業し、御所や寺社などに上生菓子などを納め、元禄期ごろに御目出糖の原型である「高麗餅」を創製。遷都後の1

          和菓子、この味《銀座 萬年堂本店の御目出糖》

          和菓子、この味《果匠 正庵のあんず大福》

          正統派はもちろん、近年は個性派の大福も多く見かけられるなか、独自の魅力でお客をひきつけ続けているのが「果匠 正庵」の「あんず大福」(248円)だ。 ひと口かむと、アンズの蜜漬けの甘ずっぱさが鮮やかに伝わり、次に粒あんとお餅と一体となったふくよかな風味が広がって、後味はすっきり。 この味わいを生む一番の秘訣は、

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          和菓子、この味《果匠 正庵のあんず大福》

          和菓子、この味《言問団子の言問団子》

          きわめてシンプルでありつつ、独自の魅力に満ちている。東京・向島名物として知られる「言問(こととい)団子」は、そんな稀有な菓子の1つだ。串にさしていない、まん丸の3色という姿。風流な名前。特注の器。そして、伝統の味。余計なものは加えないため、消費期限は当日中と短いが、やわらかな口あたりや、素材の上質さが伝わる上品な風味は格別だ。 「支店を出さないこと、ほかの商品をつくらないこと、店主は店と同じ場所に住むこと」あんも生地も「一からの手づくりです」と6代目の外山和男さん。同店には

          和菓子、この味《言問団子の言問団子》

          はじめまして。『café-sweets』編集部です!

          みなさまはじめまして。株式会社柴田書店『café-sweets』編集部です。 聞き馴染みのない方も多いかと思いますので自己紹介させていただきます。 柴田書店は1950年創業の食の総合出版社で、「飲食、サービス業のプロに貢献する」という目標を掲げ、『café-sweets』のほか『月刊専門料理』『月刊食堂』『ホテル旅館』を刊行しています。 『café-sweets』は、お菓子業界やパン業界、カフェ業界で働く人たちに向けた業界専門誌です。隔月雑誌(偶数月5日発売)で、毎号、

          はじめまして。『café-sweets』編集部です!