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ワールドシネマ・レビュー

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カフェバグダッドが鑑賞した中東関連以外の各国映画のレビューが収録されています。
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記事一覧

長崎に投下された原爆と深くつながる街…映画「リッチランド」

米西部ワシントン州にひろがる大自然の中で、第二次世界大戦末期、長崎に投下された原爆の原料…

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静謐な風景の中の痛々しい心理劇…フランス映画「落下の解剖学」

予備校に通っていた時代の友人と久しぶりに会って会食していた時に勧められた作品。カンヌ映画…

ドイツ近代史の暗い影を描く『真昼の女』(TIFF2023)

東京国際映画祭2023のコンペティション部門に出品されたオーストリアの女性監督の作品。第一次…

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左利きのユートピア探し...日本映画『左手に気をつけろ』

東京国際映画祭2023の実質初日の10月24日。なんとなく、という感じで、40数分の日本映画を観た…

山岳国家ジョージアをユニークに描く『ゴンドラ』

東京国際映画祭2023がいよいよ開幕。実質初日の24日は、上映時間が夜の中東映画は見送り、ジョ…

山々と草原の大自然と人間…キルギス映画『父は憶えている』

今回は、いつもの映画レビューとは違い、作品の内容について触れる前に、この作品の監督と私の…

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沈黙の映像は何を語るのか…ドキュメンタリー映画「旅するローマ教皇」

2013年から22年までの間に、37回外遊し、計53か国を訪れたローマ教皇フランシスコ。計800時間の映像アーカイブと、イタリアの巨匠ジャンフランコ・ロージ監督が撮影した映像をつむいで、一貫性をもつドキュメンタリーとして完成させた作品。ロージ監督は、前作「国境の夜想曲」(2020年)で、ISに蹂躙されたイラク、シリアなど中東地域の悲劇を、美しい風景を織り交ぜながら静寂なトーンで描き出した。今作品も、広島訪問の場面など沈黙シーンが多く、前作と共通している。映画は「沈黙を通して何

四半世紀ぶりに見た「そして僕は恋をする」(アルノー・デプレシャン監督)

この映画、日本で初めて公開されたのが1997年11月8日。なので、劇場で鑑賞したのは、こ…

韓国映画『逃げた女』(ホン・サンス監督)

ホン・サンス監督作品を初めてみたのは、確か『豚が井戸に落ちた日』(1996年)。それから…