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トルコ南東部を行く③ごつごつした石畳が美しい古都

宿泊したホテルは、ハタイ県の県庁所在地アンタキヤの旧市街の一角。2軒の民家を改造してひとつの施設にしたような感じの造りだった。開業して間もない感じで、建物自体は古かったが、インテリアは改装したてのようだった。
アンタキヤはギリシャ語でアンティオキア。キリスト教の初期からの布教地で、古代の5大総主教座のひとつ「アンティオキア総主教座」が置かれていた。アンタキヤ正教会や、聖ピエール教会など歴史のある教会があり、トルコの他の街とは雰囲気が少し異なる。チェックインを受け付けてくれた女性と雑談していたら、彼女はキリスト教徒だとわかった。やはり、現在もクリスチャン人口は多いのだろうか。
石畳の旧市街をぶらぶら散歩する。ややでこぼこで決して歩きやすい道ではないが、この街の歴史を感じさせるに充分だ。空港からのシャトルバスで隣だった男性に教えてもらったカフェで休憩。広い中庭があり、気持ちいい風を感じながら、レモンミントジュースを飲みながら、水タバコをくゆらせる。
いったん宿に戻ってから、タクシーで夕食会場の「ヌーリレストラン」へ。旧市街から少し離れた郊外にある2階建ての大型レストランだった。
待ち合わせていたのは、アンタキヤで医師として働くファルークさん一家。日本在住でトルコ出身の友人、エブルさんの夫の兄にあたる。アンタキヤへ行くにあたって、エブルさんから紹介してもらい、夕食をともにすることになったのだ。
アンタキヤは、歴史的シリアに属し、アラブ系住民も多い街。現在のトルコ領の中でも、独特の食文化が育まれている土地としても知られる。
このレストランで出てきた料理も、どれも素晴らしいものだった。まず最初に出てきた冷たい前菜(メゼ)から驚きだった。7種類の色とりどりのディップは、味わいも多彩。円形で薄型のパン(エキメッキ)ですくって食べるると、それだけで満腹になってしまいそうだった。

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