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カフェバグダッド年代記②--アラブ音楽カフェ、東京・東北沢に出現

まず、「カフェバグダッド・イベント年代記」としていたタイトルを「カフェバグダッド年代記」に変えました。実態として、そういうことなのでシンプルにしたほうがいいと考えました。

さて、ポップアップのアラブカフェの構想が浮上したところから、話を続けます。その構想を、知人に何ともなしに話したところ、東京・東北沢のカフェ「現代ハイツ」というカフェが、関心を持ったと教えてくれました。早速、どんなところかと、訪ねてみると、レトロなアパートの半地下に作られた、ギャラリーやイベントスペースがあるユニークなカフェだった。(残念ながら2016年に閉店)

話はとんとん拍子に進んだ。50席ほどあるカフェ空間にプロジェクターを設置して、アラブ式カフェの定番ともいえるアラブの歌謡曲のビデオクリップを流す。参加者にはアラブの飲み物を楽しんでもらおうことにした。

水たばこ器具は、私が帰国直前にカイロの観光名所ハーンハリーリ市場でまとめて購入していたものを使うことにした。

イベントのゲストには、アラブ史研究者の中町信孝さん(現甲南大教授)にお願いすることにした。エジプトのポップス音楽を「エジポップ」と命名し、ブログなどで活発に情報発信をしている人物だった。アラブのポップス音楽の歴史を振り返りながら、エジポップの今後を見通そうというトークをしてもらうことにした。

カフェバグダッド・イベントの第一弾となる「シーシャとエジポップの夕べ」は、50人を超える参加者を迎え、2004年7月28日に開催された。

2004年12月開催のカフェバグダッドイベント

初回にありがちなバタバタで、残念ながら写真が1枚も残っていない(ここに掲載した写真は、ヘッダーのものも含めて、すべて2004年12月に開催した第3弾イベントのものになる)。参加者に、シーシャ約10台をシェアしてもらい、エジプトのハイビスカスティー(カルカデ)をふるまった。さすがに日本の空調設備でも対応できず、シーシャのけむりがカフェ内に充満して、「アヘン窟のようだった」という感想を残した人もいた。

それでも、実際にエジプトなどのアラブ圏に旅行したり、暮らしたりした経験がある人も結構参加したくれたこともあり、アラブ圏のカフェの雰囲気に近い感じになった。車座になって座り、音楽にあわせて踊る人々も現れた。

等身大の中東を日本に伝えたい、という思いもあって始めたイベントは、そうして第一歩を踏み出すことになった。(続く)


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