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カフェバグダッド年代記⑦-カイロの伝統的なカフェを味わう小イベント

2011年という年は、日本国内では東日本大震災という未曽有の大災害で、岩手、宮城、福島の3県を中心に多くの犠牲者が出た年。
一方、中東では、前年暮れにチュニジアで始まったいわゆる「アラブの春」と呼ばれた民主化・反政府運動で、多くの血が流れ、劇的な政変が起きた年になる。

東日本大震災直後にイランから帰国し、新聞社の国際部で、この「アラブの春」報道の対応に追われる。途中から、「中東担当デスク」となり、連日中東など世界から届く大ニュースを「さばく」デスクとなり、生活は多忙を極めた。このため、日本でカフェバグダッド活動を再開する、という状況にはなかった。

2013年初夏、2度目のカイロ勤務の内示が出て、カイロに暮らし始める。エジプトも「アラブの春」でのムバラク政権崩壊から、政治不安定が続き、目が離せない状況が続いていた。

ただ、そんな中で、アラブ映画や音楽が大好きな、日本在住の友人から、「フェイスブック(FB)ページを作ったらいいよ」というアドバイスを受ける。それで作ったのが、以下のページ。

このページには、自分が中東で行ったの写真や印象などを書きためていくことにした。備忘録といえば備忘録だ。

またFBには、「イベント」のスレッドを作り参加希望者を管理できる機能がある。これも活用しない手はない、とも考えて、希望者を募って、カイロのカフェでみんなでコーヒー、紅茶、水たばこを楽しむ、というイベントを2014年3月に始めた。「カフェバグダッド・イン・カイロ」というタイトルで2回行った。

FBページ上での開催報告

本当は、他の中東の都市での開催も含め、もっと続けたかったのだが、まもなくして、そうもいってられなくなった。

ISの勢力拡大により、中東で戦火が拡大したからだ。それからカイロを離れる2016年の早春まで、「カフェバグダッド・イン・カイロ」を開催することはできなかった。個人的には、出張先でもカフェに行って、前出の「備忘録」は書き続けてはいたが。

日本に帰国し、再び東京本社勤務。「日本に中東の奥深い文化を伝える」というミッションをかかげる者としては、まっさきにカフェバグダッド活動を再開するべきだったかも知れないが、日々の生活に終われ、なかなか再起動できなかった。その日は、帰国から2年、2018年の春まで待たないといけなかった。

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