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夫婦は分かり合えるのか「停電の夜に」

文学ラジオ第57回の紹介本
「停電の夜に」
ジュンパ・ラヒリ 著
小川高義 訳
新潮文庫

インド系作家である著者のデビュー作。不安定な人間関係を描く短編集です。停電の夜に、毎晩ひとつずつ秘密を打ち明け合う夫婦を描く表題作のほか、「病気の通訳」「三度目で最後の大陸」を紹介しています。読みやすく、海外文学への入門には間違いない一冊です。

苦味のある作品が多い一方、「三度目で最後の大陸」は勇気を与えてくれる素晴らしい作品でした。人生は厳しいけれど、素晴らしものであると教えてくれたように思えました。丁寧な文章も魅力的で、派手なドラマは起きないですが、静かに余韻に浸れるので、秋の夜長に読むのにぴったりな小説だと思いました。

本書のあらすじ
毎夜1時間の停電の夜に、ロウソクの灯りのもとで隠し事を打ち明けあう若夫婦―「停電の夜に」。観光で訪れたインドで、なぜか夫への内緒事をタクシー運転手に打ち明ける妻―「病気の通訳」。夫婦、家族など親しい関係の中に存在する亀裂を、みずみずしい感性と端麗な文章で表す9編。ピュリツァー賞など著名な文学賞を総なめにした、インド系新人作家の鮮烈なデビュー短編集。

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