ブレンドばっかり飲まないで! コーヒーがもっと楽しくなる「シングル」の世界
いきなりですが質問です。
「あなたがすきなコーヒーは何ですか?」
僕が初めてカルディに行った時にされた質問です。
聞かれた時、ドキッとしました。
「好きなコーヒーは、酸味があって・・・えっと・・・苦味は・・・」
しどろもどろになりました。(笑)
さて、みなさんなら、何と答えますか?
コーヒーがもっと楽しくなる
「シングル」の世界
(1)ブレンドコーヒーって何?
①ほとんどがブレンドコーヒー!?
喫茶店のメニューでよく見る、「ブレンド」や、「ホットコーヒー」。
スーパーやコンビニで売られているような、マグカップに引っかけて、ドリップするタイプ。
世の中には手軽に飲めるコーヒーがたくさんあります。
しかし、驚くなかれ。
そのほとんどが「ブレンドコーヒー」なのです。
そもそも「ブレンド(blend)」とは、どういう意味なのでしょうか?
主たる意味は、「混ぜる」です。
他にも、「調和する」「調整する」という意味もありました。
つまり、「ブレンドコーヒー」とは、
『思い描いた「味」になるように調整しながら、コーヒー豆を混ぜ合わせること』
以上のように考えることができます。
そして、その魅力は、
世界各国で生産されたコーヒー豆から、自分好みにいくつか選び、混ぜ合わせ、
オリジナルの味を創造することができることです。
②「ブレンドコーヒー」のルール
では、どうやってブレンドコーヒーと判断するのか。
販売されているものの名称をまずは見てみましょう。
喫茶店のメニューに、「ブレンドコーヒー」や「ホット」と書かれていれば、
ほぼ間違いなくブレンドコーヒーと思っていいです。
お店で売られているものに、「〇〇ブレンド」と書かれているのもそうですね。
気になるのは、何が混ぜられているのかです。
実は、ブレンドコーヒーの名前をつけるのに、あるルールがあります。
それは、
「ブレンドの名前をつけるときは、全体の30%以上の豆でないといけない」
というものです。
詳しく説明しましょう。
③わたしも、あなたも、「モカブレンド」
よく街中で「モカブレンド」というコーヒーを見かけます。
この「モカブレンド」、いろいろなところで販売されていますが、
実は、それらは同じ味のコーヒーではないかもしれません。
コーヒーの名前を冠する時は、30%以上の豆でないといけないというルールがありました。
逆にいえば、30%以上入っていれば、その名前を冠することができるということです。
「モカブレンド」の場合で考えてみましょう。
モカは、エチオピア🇪🇹で生産されたコーヒー豆のことを指します。
つまり、「モカブレンド」には、エチオピア産の豆が30%以上使われていることになります。
しかし、それ以外の豆は何が混ぜられているのか、その情報は名前からは得られません。
上の図のように、(A)のコーヒーも(B)のコーヒーも、
エチオピアの豆が30%以上使われています。
よって、味は違えど、同じ「モカブレンド」と名付けることができます。
このように、ブレンドコーヒーは、1つのコーヒー豆ではなく、いくつかの豆の味を組み合わせてできています。
ブレンドで作り出される味は、無限にあるので、それ自体は魅力的です。
しかし、そればかりではなく、ぜひ1種類のコーヒー豆と向き合ってほしいと思います。
そうすれば、もっとコーヒーの世界は面白くなりますよ!
(余談)ブレンドコーヒーについて語ればまだまだ長くなります。
本題からそれてしまうので、ブレンドコーヒーってこんな感じなんだと知ってもらえればOKです。
また、別で記事を書きますね。
(2)シングルオリジンコーヒーの世界
①「シングルオリジン」って何?
コーヒー豆を売っているお店に行くと、ブレンドとは別に、「シングルオリジン」と書かれた豆が売られています。
ブレンドは、様々な生産国の豆が混ぜられたものでした。
それに対してシングルは、
「混ぜられることなく、表記された国で生産されたコーヒー豆」です。
例えば、
ブラジル🇧🇷と表記されていれば、ブラジルで生産されたコーヒー豆。
モカ(エチオピア)🇪🇹と表記されていれば、エチオピアで生産されたコーヒー豆。
こんなふうに、1つの国で生産された豆を「シングルオリジン」といいます。
②シングルオリジンの魅力
シングルはブレンドと比べて何が魅力なのか。
それは、コーヒーの概念が崩されることです。
何を言ってるんだ・・・と思う方もいるかもしれませんが、ぜひ体験してほしいです!
ブレンドコーヒーの多くは、コーヒー感を出すために、苦味やコク、酸味などをバランスよく取り入れ、その中の一部を伸ばすような味になっていると僕は感じます。
そのために、いろいろな生産国の豆を合わせて、足りないところを互いに補い合うようになっています。
しかし、シングルは違います。
その国で生産されたコーヒーしか使っていないため、足りないところは足りないまま。
そして、その豆の良さを最大限に伸ばしていこうとします。
そうすることで、その豆がもつ本来の風味をダイレクトに味わうことができるのです。
そして、その特徴は、国によって、農園によって、品種によって全く異なるのです。
このように、一括りにコーヒーといっても、生産国ごとに豆の特徴が違います。
よって、飲んでみないと分からない、全く異なる飲み物に日々出会っている、
そんな感覚があります。
「どんな味がするんだろう?」というわくわくを
「これもコーヒーなのか!」という衝撃を
ぜひシングルオリジンコーヒーで味わってください。
(3)あなたがすきなコーヒーは何ですか?
僕はシングルコーヒーを飲み始めて、
ようやく自分の好きなコーヒーが分かってきました。
この国のコーヒーは酸味が強すぎる
この国のコーヒーは苦味が強いな
この国のコーヒーは甘さが感じられていいな
この国のコーヒーは少し物足りないな
そんなふうに、コーヒー豆1つ1つと向き合って、その表情を見る
コーヒーは苦いだけのものではない
その豆らしさを感じられないまま飲むのは、いかにもったいないことか
一括りにはできない、豊かな風味
それらが産まれた国に思いを馳せながら飲む瞬間
それがいかに贅沢なことか
こんなふうに思いながら、
僕はコーヒー時間を過ごしています。
そしてこれからも、いろいろな個性をもつコーヒー豆と出会っていきたいです。
それが楽しみでなりません。
みなさんも、コーヒーの新たな世界に踏み出してみませんか?
【次回】
どこまで知ってる?今さら聞けないコーヒー豆の話【基本編】
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