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渾身の商談(後編)

(続きものなので前編をまだお読みでない方は必ずお読みください)

クレームではなく、相手側にも(そしてまぁこちら側にも)どちらにも非はなく、しかしながら経営者としての要望をどうにかして伝えたいという場合、ポイントとなることを一つだけ挙げるとするならばそれは「相手側にもメリットがある話」にすることであります。


今回の件で私もまずは「どういう展開になれば丸山珈琲側にメリットがあるか」ということをとにかく考えました。

そして、かねてからの「隠し玉」(?)というか、実はいつかは着手すべき切り札である「豆の販売」というカードを切ることにしました。


「コロナ禍で珈琲文明が考えていること」みたいな内容でお話したこともありましたが、その時は「豆の販売」というカードを用意してはいるもののおかげ様でコロナ禍においても珈琲文明は客数や売上減には全く影響が出ていなかったのでまだ「静観」ということにしていました。


ところが今回このような「自店舗メニューの心臓部であるコーヒー豆の卸値急騰」という一大事を前にこちらも必殺の奥義(?)を繰り出さざるを得なかったのです。


そんなこんなで前回のようなメールを丸山健太郎師に送信しました。


それではその後の展開をダイジェストでおおくりします。

まず丸山師より「突然の話で本当に申し訳ありません」という返信有り。

さらに「一度とにかく珈琲文明に行きます」となりその後丸山さん単身で来店。


ちなみに丸山さんが珈琲文明に来たのは実際は二度目で、初回は前回の写真にあります店舗内装工事前のまだ珈琲文明が生まれる前のスペースゼロみたいな時でした。


文明ブレンドとカレーパンを召し上がってくれた丸山さんに「コーヒーもカレーパンも美味しい」と言ってもらえた後、丸山さんは「今回はとにかくまずお店に来たかったので来ました、後日改めて営業の者を連れて来ます」と言って本当にその日はそれだけで帰ったのです。


平常営業中だったため商談というわけにいかなかったということもありますが、なんとも誠意溢れる行動、丸山さんのこういうところがやっぱり好きだなぁと思いました。


その翌週に再度今度は営業部長さんを率いて、こちらが指定した水曜定休日に来てくれました。


そこで商談の火蓋(笑)は切って落とされました。

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