お椀、吹き飛ぶ 〜嗚呼、職人の絶望日記〜
2016年2月。
漆塗り職人の師匠である父に内緒で購入した木工旋盤。
夜、漆の仕事が終わってから練習にとりかかる。
まったく、しおらしいことだ。
わざわざどこかへ木工の修行に行くのは面倒だから独学である。
作りたいものは決まっていたので、それだけ作れれば十分なのだ。
「やっちゃえ、ニッサン」を合言葉に、ひたすら突き進むのだ。
材料は、京北町で廃材のヒノキを安くで分けてもらった。
バンドソーで丸くカットしたら、木工旋盤という機械に取り付ける。
そして、モーターで高速回転